研究課題/領域番号 |
19K23414
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
LUSTIKOVA JANA 東北大学, 先端スピントロニクス研究開発センター, 助教 (90847964)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 超伝導 / 銅酸化物 / 鉄系超伝導 / スピン流 / スピントロニクス / スピン注入 / 鉄系超伝導体 / スピントロ二クス |
研究開始時の研究の概要 |
高温超伝導現象は磁気秩序と密接な関係があり、その発現機構においてスピン(電子の磁気的性質)の励起が重要な役割を果たすと考えられている。そこで新規物性プローブとしてスピンの流れである「スピン流」に注目する。近年スピントロニクス分野において盛んに研究されてきた磁性体や金属中のスピン流現象から、スピン励起によって伝搬するスピン流の描像はかなり鮮明になってきている。高温超伝導物質のスピン流に対する応答を調べることによって、従来の実験手法に加え高温超伝導スピン励起について新しい情報を取得し、高温超伝導の機構解明への貢献を目指す。
|
研究成果の概要 |
高温超伝導体の超伝導発現におけるスピン励起の役割が長く研究されてきた。本研究では、電子スピンの流れである「スピン流」による高温超伝導物質のスピン励起の検出を目指し、高温超伝導物質へのスピン注入実験を行った。銅酸化物高温超伝導体及び鉄系超伝導体に強磁性金属の薄膜を製膜し、超伝導体|強磁性体の構造を作製し、マイクロ波照射によるスピン流注入実験を行った。超伝導物質に注入されたスピン流を強磁性薄膜の磁気緩和定数を通して検出したところ、銅酸化物では超伝導転移温度近傍、鉄系超伝導では構造相転移温度以下における変化が観測され、その物理的機構を検討した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温超伝導物質の中では、高温超伝導銅酸化物及び鉄系超伝導体の超伝導転移温度が最も高い。両者におけるスピン励起の超伝導状態との関係について共通点及び相違点を明らかにすることによって、超伝導転移温度の向上に向けた物質設計指針が得られると期待されている。本研究の学術的意味は高温超伝導物質のスピン物性プローブとしてスピン流に注目することにある。中性子散乱や核磁気共鳴など従来の実験手法とは異なるエネルギーや長さスケールをプローブし、高温超伝導体におけるスピン励起の多角的理解に貢献する。
|