研究課題/領域番号 |
19K23416
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石渡 龍輔 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (30850648)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非対称散逸系 / 線形応答理論 / 自己駆動粒子 / パターン形成 / 非平衡開放系 / 非線形物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
既存の物理学における物体とみなせない魚,鳥,昆虫などの集団運動が,研究対象になっている.これら様々な個体の集団運動は「個体同士がお互いに影響を及ぼしながら運動する協同現象」とみなすことができる.ただし,個体同士の影響は相互作用と異なり,作用反作用や運動量保存の法則を満たさないものである.このような影響は空間的な非対称性をもち,非対称相互作用とよばれる.非対称相互作用と物理量の散逸を含む非保存系が,非対称散逸系である. 本研究では,先行研究において提案された助変数を導入したラグランジアンの構成をもとにして,非対称散逸系におけるいわゆる擬似ハミルトニアンまたは擬似ラグランジアンの構成を検討する.
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研究成果の概要 |
自動車、魚、鳥、昆虫などを個体として考えて、集団の性質や運動を考える試みが多くなされ、数理的なモデルも多数提案されている。本研究の大きな目的は、数理的なモデルを用い、魚や鳥などの集団に見られる動的な自己組織化パターンを創発する自己駆動粒子のエネルギーを考察することである。具体的には、非対称相互作用を含む非対称散逸系について補助変数を含むラグランジアンを構成し、得られたラグランジアンが自己駆動する個体のエネルギーとして妥当であるかどうかを調べること、構成した擬似ラグランジアンの幾何学的性質を考察することを目的とした。前段階として非対称散逸系における揺動散逸関係について国際論文誌に成果を報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
魚群や鳥の群れなどの自己駆動粒子の集団運動は、集団全体としての巨視的運動が大きく揺らぎ、多数の準安定な流動形態に遷移する。また自己駆動粒子集団の運動では、高熱源から低熱源への熱流の流れのような動的安定な非平衡定常運動が見られる。 非平衡定常的な集団運動の安定性や集団全体の空間構造などを少数の特徴量であらわすことは、様々な時空間スケールで現れる運動に共通した性質を見出すために役立つであろう。 また、交通流において非対称散逸系は渋滞現象発生のメカニズムなども説明することから、非対称散逸系の性質自体を調べることも応用の観点から重要であると考えている。
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