研究課題/領域番号 |
19K23419
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野 淳 東北大学, 理学研究科, 助教 (40845848)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遍歴磁性体 / 光誘起相転移 / 実時間ダイナミクス / スピンカイラリティ / ディラック半金属 / スピン軌道トルク / スピントロニクス / 光誘起ダイナミクス / 二重交換相互作用 / 磁気スキルミオン / 非平衡現象 / 強相関電子系 / フロケ理論 / 高次高調波発生 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の高強度・超短パルスレーザー光源等の技術発展を背景として,光照射による磁性の高速制御に関する研究が精力的に進められている。特に磁性の起源である交換相互作用を光によって直接的に操作するというアイディアが理論的に提案されており,従来とは異なる磁性制御の原理として関心を集めている。本研究では金属的な磁性体に注目し,その理論模型の解析を通して高強度の光照射下における有効的な交換相互作用の形やスピン構造・スピンダイナミクスを調べ,新たな磁性制御の原理を探る。
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研究成果の概要 |
本研究課題では,磁性体への光照射によって生じるピコ秒程度の高速な実時間ダイナミクスの理論研究を行った。特に遍歴的な電子と局在的な磁気モーメントが結合した系に焦点を置いて解析を行い,電子を光電場によって駆動することで磁気的性質が大きく変化することが見出された。具体的には,強磁性金属へのテラヘルツパルス電場照射によって,反強磁性絶縁体状態や120度ネール状態,スピンスカラーカイラル状態など様々な磁気秩序状態が現れることや,反強磁性磁化の方向を回転させることが可能であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,磁性体への光照射効果の研究が様々な角度から精力的に進められているが,その一方で磁性を担う多体電子の動力学の解析は困難を伴い,未解明の事柄が多く残されている。本研究課題では磁性を担う局在的な磁気モーメントと電気伝導性等を担う遍歴的な電子とが強く結合した模型の数値的解析を行い,既存の平衡状態の理論からは予想されない新たな非平衡状態を理論的に見出した。これは非平衡物性物理学に新たな学術的知見をもたらすのみならず,将来的には新たな高速磁気デバイスの基礎原理にも繋がる可能性があるものと期待される。
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