研究課題/領域番号 |
19K23420
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 孟 東京大学, 物性研究所, 助教 (70843192)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 5d電子物性 / 強磁場物性 / 新物質開発 / 量子物質 / 磁性 / スピン軌道相互作用 / 超強磁場 / 物質探索 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は5d遷移金属元素の一つであるタンタルの電子自由度を、非常に強い磁場を用いて制御し、磁場により引き起こされる相転移を探索すること目的とする。対象物質の純良な試料を合成し、パルス超強磁場中での物性測定を行うことにより、多極子と呼ばれるd電子の磁性と電荷分布が強く結合した自由度や分子軌道状態を大きく変化させるような未知の磁場誘起相転移の観測を目指す。
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研究成果の概要 |
鉄などの一般的な磁石の性質を理解する場合、電子の磁気的な性質(スピン)と空間分布(軌道)は分けて考えることが多い。一方、スピン軌道相互作用と呼ばれる効果によって両者が強く結びついた磁性体が近年の物性物理分野で注目を集めている。本研究ではそのような新しい磁性体を合成し、一般的な実験室では発生不可能な強い磁場を与えることにより、未知の電子状態の観測と磁性の解明に取り組んだ。その結果、強い磁場にも応答しない強固な非磁性基底状態への相転移、ハロゲン化物イオンによるスピン軌道相互作用の効果の変化、磁場により引き起こされる新しい相転移といった新しい現象を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の物性物理分野における中心的な研究課題の一つであるスピン軌道相互作用の強い磁性体を対象に、新物質の合成と超強磁場下での物性測定を組み合わせた独自のアプローチによって未知の磁気現象を発見しました。 本研究の成果は、電子機器や磁性材料の動作原理の基盤である物性物理、磁性、物質科学といった学問分野における最先端の知見を与え、当該分野の発展に寄与することが期待されます。
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