研究課題/領域番号 |
19K23421
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 肇宏 東京大学, 物性研究所, 助教 (20845987)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超強磁場 / 磁性 / 酸素 / 液体 / 液体酸素 / 磁場誘起相転移 / 超音波 / FBG / 液体-液体相転移 / 強磁場 / 相図 |
研究開始時の研究の概要 |
液体-液体相転移(liquid-liquid transition, LLT)とは、2種類の異なる液体間の相転移である。LLTの存在は液体という無秩序な状態における局所的秩序の証明とも言え、近年大きな注目を浴びている。 これまでに温度と圧力を制御したLLTの研究は存在するものの、磁場を外部パラメタとした研究は存在しない。本申請では、磁性分子液体である液体酸素を舞台とした磁場誘起LLTを提案し、その実験的観測を目指す。
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研究成果の概要 |
液体ー液体相転移は液体状態におけるミクロな対称性の破れを議論する上で重要な物理現象であるが、これまで圧力・温度を制御パラメタとした研究しか行われてこなかった。本研究では「磁場」を新たなパラメタとして採用し、液体酸素における磁場誘起の液体ー液体相転移の観測を目標とした。一巻きコイル法を用いて、150テスラまでの超強磁場領域で光学測定、超音波測定、体積膨張測定行った。これらの実験結果から液体ー液体相転移の前駆現象と思われる弾性異常を観測することに成功したが、実際に観測するにはより強磁場が必要であることが明らかになった。今後の研究で更なる強磁場領域を探索する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液体という状態は、固体や気体と比べて理論的に取り扱いにくい性質を持つ。液体ー液体相転移は液体における部分的な対称性の破れに起因する現象であり、液体という状態の理解を深める手がかりとして非常に有用である。これまでの研究で温度・圧力を制御した研究が行われてきたが、本研究では「磁場」を導入することで液体ー液体相転移の新たな一面にフォーカスした。観測には至らなかったが、本研究をきっかけとして他の物質で磁場誘起液体ー液体相転移が発見される可能性がある。
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