研究課題/領域番号 |
19K23423
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水野 隼翔 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (30846499)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピンホール効果 / 反強磁性金属 / ワイル反強磁性体 / 磁気スピンホール効果 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ワイル反強磁性体と呼ばれる物質に電流を印加した際に、物質表面に生じるスピン蓄積ベクトルの向きが外部磁場によって変化するという磁気スピンホール効果が発見され、磁気的な秩序とスピンホール効果との相関に注目が集まっている。しかし、その詳細な関係は実験的に明らかにされていない。 そこで、本研究では、ワイル反強磁性体の表面近傍に現れるスピン蓄積ベクトルが、同磁性体のスピン配列の変化に対してどのように応答するかを測定することにより、ワイル反強磁性体における磁気スピンホール効果の原理を解明する。本研究は、反強磁性体を用いたスピン流の新たな生成・検出手法確立への学術的基盤となる。
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研究成果の概要 |
近年、ワイル反強磁性体と呼ばれる物質における磁気的な秩序とスピンホール効果との関係に注目が集まっている。本研究では、同物質の表面に生じるスピン蓄積を検出すること及び、磁気秩序との関係を明らかにすることを目的とした。ワイル反強磁性金属であるMn3Snの多結晶薄膜をT字型素子へと微細加工し、強磁性金属細線を組み合わせることによってスピン蓄積信号の検出を可能にした。また、温度依存性測定から、本信号はMn3Snの磁気秩序が消失する温度以下においても生じることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子のもつ電荷とスピンの二つの自由度を利用するスピントロニクス分野において、角運動量の流れであるスピン流の制御は重要課題の一つである。本研究により、反強磁性体のスピンホール効果を簡便に測定可能な手法を確立したことは、今後の反強磁性体やワイル金属を用いた電流-スピン流変換の研究を発展させるものである。また、本研究にて用いたT字型の素子構造は、不揮発性のスピンロジックデバイスへの応用が提案されており、機能性反強磁性材料を用いた性能の向上が期待される。
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