研究課題/領域番号 |
19K23425
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村上 雄太 東京工業大学, 理学院, 助教 (70845289)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非平衡物性理論 / 励起子絶縁体 / 高次高調波発生 / 光誘起相転移 / 非平衡物性 / 相関電子系 |
研究開始時の研究の概要 |
遷移金属カルゲナイト系において近年様々な興味深い光誘起現象が報告されている。これらの現象の解明には電子相関を介した多軌道、多フォノンが織りなす非平衡ダイナミクスの理解が鍵となる。しかし、従来の相関電子系の非平衡理論研究では、手法の制限からHubbard模型などの物質の詳細を十分に考慮しない基本模型が主な研究対象であった。本研究では、多自由度模型の非平衡状態の解析を可能にする非平衡グリーン関数法を用いた新手法を開発し、物質の詳細を反映した模型に適用することで、実験的に報告されている特異な励起子絶縁体のダイナミクスと高次高調波発生のメカニズムの解明および新たな実験提案を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究計画の目的は、多軌道模型を解析することで、励起子絶縁体の非平衡操作に関する理論を構築すること、そして強相関電子系における高次高調波発生の起源を明らかにすることである。励起子絶縁体の非平衡操作に関しては、励起後散乱が本格的に始まる前のPrethermalと呼ばれる状態を使うことで、非平衡特有の励起子絶縁相が出現することを明らかにした。また高次高調波発生の研究においては、強相関特有の励起状態が高次高調波発生が重要な役割を果たすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年非平衡物性の分野で注目を集めている励起子絶縁体のダイナミクスと高次高調波発生に焦点を当てている。我々の研究成果は、光を用いた物性操作に関する新しい指針を提供しており、今後あたらしいタイプの光誘起相転移や高次高調波発生の観測につながると期待される。また、長期的にはこれらの成果をベースにして光高速スイッチングや通信デバイスへの応用も期待される。
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