研究課題/領域番号 |
19K23428
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 (2021) 東京都立大学 (2020) サレジオ工業高等専門学校 (2019) |
研究代表者 |
小林 和也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00849474)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粉体 / レイリーテイラー不安定性 / 非平衡 / 粉粒体 / 物理ゲル / 重力不安定性現象 / 非平衡物理 / レイリー・テイラー不安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、粉体系と液体系において様々な不安定現象との類似が見つかっている。しかしながら、粉体における重力不安定性現象はこれまで個々の系に合わせた取り扱いにとどまっており、不安定化機構の詳細や液体系との共通性もほとんど見出されていない。その理由として、粉体の重力不安定性には、応力鎖ネットワークが重力により切断されるといプロセスが関わるためである。そこで本研究では粉体系と同じくパーコレートした系である物理ゲルに着目し、粉体系およびゲル系の重力不安定性現象の共通性を系統的実験を通して明らかにする。本研究によって得られる成果は両者の不安定性現象を結びつけることから、今後の発展も十分期待できると考えている。
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研究成果の概要 |
粉体系と類似した系として,加熱・冷却によって可逆的に固体-液体転移可能な物理ゲルに着目し,重力下において2層密度不安定状態下で液体転移後に形成される重力不安定化現象パターンについて実験的研究を行った.物理ゲルは熱伝導に伴って下面から順々に固体-液体転移が起こり,液体転移箇所から不安定パターンが形成された.ここで形成された指状パターンは粉体系の気体中における重力不安定現象で見られているものと非常に類似していた.系統的実験より不安定化を支配するパラメータが上層の流動可能領域幅であることを突き止め,物理ゲル系の不安定性現象と粉体系の重力不安定性現象との間に明確なリンクを定量的に見出すことに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題ではこれまで個別的に取り扱われることが多く,共通的性質は未解明のままであった粉体系の重力不安定性現象について,性質が類似している系として新たに物理ゲルに着目し,両者の類似性を系統的な実験を通して共通性を明らかにしている.今回明らかにした液体系および粉体系の重力不安定性現象の共通性は,製品の開発・製造等の工業プロセスにおける問題点の解決や粉体の制御技術など,物理学にとどまらない幅広い分野への応用が期待できると考えている.
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