研究課題/領域番号 |
19K23443
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松本 仁 福岡大学, 公私立大学の部局等, ポスト・ドクター (70722247)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大質量星 / ジェット / 数値シミュレーション / 重力崩壊 / マグネター / 相対論的ジェット / Rayleigh-Taylor不安定性 / 磁気流体ジェット |
研究開始時の研究の概要 |
大質量星の重力崩壊時に出現する相対論的ジェットの加速メカニズムは、宇宙物理学における解明すべき大きな謎の一つである。本研究はこのジェットの加速メカニズムの解明をテーマとする。三次元相対論的電磁流体シミュレーションを駆使し、ジェットの駆動領域および広域にわたる伝搬領域に至るまでジェット構造を無矛盾に解き、大質量星の重力崩壊に伴う磁気流体ジェットの力学進化を統一的に理解する。ジェットの相対論的な速度への加速条件を解明することで、大質量星の最終進化段階における分岐の起源に迫ることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、数値シミュレーションを用いて大質量星の重力崩壊時に出現するジェットのダイナミクスを明らかにすることである。本研究では大質量星の重力崩壊とジェット伝搬を切り分け個々の現象を精度良く求めた。その結果、重力崩壊にともなう磁束の保存によりマグネタークラスの磁場が形成される場合にはジェットが駆動されることがわかった。一方、ジェット伝搬においては、磁場を含まないジェットは振動にともなう慣性力を起源とする流体不安定性の成長の影響でジェット形状が崩れジェット外媒質との混合が生じジェットの流体速度が減速することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
相対論的ジェットのダイナミクスは、大質量星の重力崩壊時に出現するジェットだけではなく、銀河中心にある巨大ブラックホール近傍から駆動される活動銀河核ジェットにも共通する物理である。特にジェット伝搬中の安定性の議論は、スケールの違いはあるがそのまま応用可能である。本研究課題で明らかにしたジェット振動にともなう慣性力を起源とする流体不安定性の成長によるジェット形状の変化は、活動銀河核ジェットの電波観測による形態の分類の物理的起源に迫る手がかりとなる可能性を秘めている。
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