研究課題/領域番号 |
19K23448
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
安藤 卓人 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 特任助教 (30852165)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 赤潮 / 渦鞭毛藻 / シスト / バイオマーカー / 赤外分光 / ラマン分光 / 生体高分子 / ステロイド / Alexandrium / パリノモルフ / Palynochemistry / 渦鞭毛藻シスト / 有毒赤潮渦鞭毛藻 / 高分子分析 / Karenia / 赤外分光分析 / 堆積物 |
研究開始時の研究の概要 |
有毒赤潮渦鞭毛藻は,海洋・陸域生態系に甚大な影響を与えるため,その環境変動に対する応答が注目されてきた。本研究では,過去における渦鞭毛藻赤潮の発生頻度をより正確に復元するための新たな分析法と指標によって,今後の急激な気候変動に伴う渦鞭毛藻赤潮の応答を予測するために重要な「赤潮の発生メカニズム」を解明する。
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研究成果の概要 |
渦鞭毛藻による赤潮の発生メカニズムをより正確に評価するために,過去の赤潮発生履歴を推定する指標の開発・検討を行なった。特にKarenia属が特有に合成するステロイド(brevesterol)とAlexandrium属が形成するシストの高分子に注目した。 Karenia属が合成するbrevesterolは,培養試料からは検出されたものの,堆積物中では検出限界以下であり,水中や表層堆積物中で分解されやすいことが分かった。一方,Alexandrium属シストの高分子の分光分析(赤外・ラマン)をした結果,堆積物中の分解に比較的弱いセルロースを基本骨格とする特殊な分枝状多糖で構成されていることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の急激な気候変動に対する生態系の応答を理解する上で,水産学的被害の大きい沿岸域の赤潮発生は注目されている。本研究では,国内で赤潮を発生しているKarenia属とAlexandrium属が特殊に合成する有機物について検討を行なった。また,これらの成分が過去の記録を保持している堆積物や地層から検出されるか検討した。 結果として,どちらの成分も分解に弱く,有機物の分解が進んだ堆積物や岩石中には保存されにくいいことがわかった。しかし,過去数十年の人新世に焦点をあてた研究では,Alexandrium属のシストとその高分子を利用した指標の利用が可能であり,赤潮発生頻度の評価に今後有用と考える。
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