研究課題/領域番号 |
19K23451
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川面 洋平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (80725375)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 降着円盤 / プラズマ乱流 / ジャイロ運動論 / 電磁流体力学 / ブラックホール / マルチスケール / 降着円 |
研究開始時の研究の概要 |
放射非効率降着流(RIAF)と呼ばれるブラックホール降着円盤では,プラズマが高温・希薄な無衝突状態になっているため,従来広く用いられている電磁流体力学モデル (MHD) だけでは不十分である.具体的には乱流がプラズマの熱エネルギーに変換される小スケールにおいてMHDではなく運動論モデルを用いる必要がある.本研究では,降着円盤中の乱流が磁気回転不安定性によって駆動される大スケールをMHDで解き,乱流のエネルギーが散逸する小スケールをジャイロ運動論を用いて解き,それぞれの結果を組み合わせるというマルチスケール手法を用いる.これによりRIAFにおけるイオンと電子の加熱比を明らかにする.
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研究成果の概要 |
高温降着円盤におけるイオンと電子のエネルギー配分を求めるために、大スケールは電磁流体力学(MHD)を用い、小スケールはジャイロ運動論を用いて数値シミュレーションを行った。ジャイロ運動論の結果として、イオンと電子の加熱比は圧縮的揺動とAlfven的揺動の比の増加関数となることが分かった。次にMHDの結果として、降着円盤の方位角方向に背景磁場が存在するときは、圧縮的揺動とAlfven的揺動の比がおよそ2になることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Event Horizon Telescope (EHT) によってM87ブラックホールシャドーの観測が行われたが、その結果の解釈のためにはイオンと電子のエネルギー配分を知る必要がある。本研究では、大スケールと小スケールをコンシステントに解くマルチスケール手法を用いたことで、これまでにない精度で降着円盤におけるイオンと電子のエネルギー配分を得ることができた。この結果は今後EHTの観測結果をより精度良く解釈する上で重要となる。
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