研究課題/領域番号 |
19K23457
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
柿澤 翔 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (10846819)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ダイヤモンドアンビルセル / 高圧 / X線吸収微細構造 / 放射線X線回折 / 鉄 / スピン転移 / 高温高圧 |
研究開始時の研究の概要 |
結晶構造中に取り込まれたFeは、結晶構造中の位置・価数・スピン状態によってそれぞれ異なった影響を物性に与える。地球下部マントルにはブリッジマナイトとペリクレースという鉱物が存在しているが、特にブリッジマナイトの高温高圧下におけるFeの状態は未解明なため、定量的な物性への影響は明らかになっていない。本研究では、X線吸収微細構造とX線回折の複合測定による新たなFe状態決定法を提案し、マントル鉱物中の高温高圧下におけるFeの状態の解明を行い、どのような影響を及ぼすか定量的に議論することである。
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研究成果の概要 |
地球内部に存在している鉱物には鉄が含まれており、高温高圧下においてスピン転移を起こすことが知られている。鉱物中の鉄がスピン転移を起こすと、その鉱物の格子体積、圧縮特性、弾性波速度、熱伝導率、電気伝導率などの物性を大きく変化させ、それに伴い地震波速度構造から予測されている下部マントルの化学組成・構造やマントル対流への影響があると考えられている。しかしながら、高温高圧下におけるスピン状態を決定するには実験技術的困難があり、統一的な見解には至っていない。本研究では、X線吸収微細構造を用いることで高温高圧下におけるスピン状態を決定する新たな手法の土台を作った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、高圧下におけるスピン状態を決定する新たな手法を提案するものであり、統一的な見解が得られていないマントルに存在している鉱物中のスピン転移に関する研究を促進する可能性がある。また、X線吸収微細構造において結合距離の変化からの間接的な方法であるがスピン転移を捉えられる可能性があることが実験的に示された。
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