研究課題/領域番号 |
19K23463
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
島尻 芳人 国立天文台, アルマプロジェクト, 特任准教授 (90610551)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フィラメント形成 / 星形成 / ミリ波 / 電波天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙赤外線望遠鏡ハーシェルによる星形成領域の観測から、0.1pc幅のフィラメント(細長い構造)が至るところで検出され、乱流によりフ ィラメントが形成、フィラメントの重力により周辺ガスがフィラメントへ流れ込み、 フィラメント質量が増加し重力不安定が起こり、フィラメントから星のもととなるコアへ分裂する、といったフィラメント形成シナリオが提唱されている。そのため、フィラメント形成の理解は、星形成の理解に直結する。本研究では、赤外線観測では得ることができなかった運動情報を電波観測により得ることで、運動学の観点からフィラメント形成過程を明らかにし、フィラメント形成シナリオの確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、運動情報を電波観測により得ることで、運動学の観点からフィラメント形成過程を明らかにし、フィラメント形成シナリオの確立を目指すことを目的としている。本研究では、以下の2点を明らかにした。(1) 連続波と複数の分子輝線の動径方向のプロファイルを比較から、連続波と分子輝線とでは、異なるフィラメント幅を示すことを明らかにした。(2) フィラメントに対する分子輝線データと分裂中のフィラメントの簡易モデルの速度構造関数の比較等から、観測されたフィラメント中のコアは、重力不安定による分裂によって形成されたことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2010年ごろにいたるところで、フィラメント構造が検出されて以来、フィラメント形成の研究は注目を集めてきた。特に、そのフィラメントが0.1pcという特徴的な幅を持つか否かは、大きな論争を予備、10年以上たった今でも結論を得ていなかったが、本研究は、その糸口を示すことに成功した。また、大部分の星形成コアがフィラメント上にあることから、形態学的な証拠から、コアはフィラメントから分裂して形成されたと考えられていたが、本研究では、運動学的証拠から分裂を示すことに成功した。これらの成果は、星形成の理解において重要な星形成の母体であるフィラメントの形成の理解に大きく貢献したと言える。
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