研究課題
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大気重力波(以下、重力波)と呼ばれる現象は、運動量を鉛直上向きに輸送する役割を持ち中層大気(高度10-100 km)の気温や循環に影響を与える。南米南部から南極半島は、最も重力波活動が高い領域であることが知られており、重力波の運動量輸送も活発な地域である。本研究の目的は南米南部・南極半島の中層大気上部(高度70-100 km)の重力波の発生源を理解することである。2つの衛星観測(Aqua/AIRS、Suomi NPP/VIIRS)から中層大気下部・上部の重力波を捉え、再解析データを用いて中層大気上部の重力波の発生源を明らかにする。
雲より上の大気から地球近傍宇宙空間の化学組成・循環・気温を数値モデル等で再現・予測する上で、大気重力波は重要な現象である。本研究は大気重力波の励起源・伝播過程を研究した。その結果、主に3つのことを明らかにした。(1)数値モデルで再現されていた2次波を世界で初めて観測に成功した。(2)風速の季節・突発的な変動によって、大気重力波の活動度も変化する。(3)理解が遅れている雲より上空に存在する大気重力波の励起源を明らかにした。
数値モデルを用いて地球大気の長期予報を行う上で、大気重力波は非常な現象と知られている。大気重力波をモデル内で再現するためには、波の伝播過程・励起源を知る必要がある。また、大気重力波は衛星通信が通過する地球近傍宇宙空間の環境にも影響を与えることが知られている。本研究で初めて観測された2次波は特に、近傍宇宙空間に多大な影響を与えていると数値モデルの結果より指摘されている。そのため、本研究が実際に2次波が現実大気中で励起していることを明らかにしたことは学術的に意義があることである。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 8件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 11件、 招待講演 1件)
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