研究課題/領域番号 |
19K23474
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2022) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2019-2021) |
研究代表者 |
山本 大貴 九州大学, 理学研究院, 助教 (00846868)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プレソーラー粒子 / 炭化ケイ素 / アルミナ / 原始太陽系円盤 / 蒸発 / 酸素同位体交換 / 残存可能性 / 化学反応速度 / 円盤物理化学条件 |
研究開始時の研究の概要 |
地球外物質中に見つかる太陽系誕生以前に形成された特異的な同位体組成を持つ粒子はプレソーラー粒子と呼ばれる。プレソーラー粒子は、太陽系に取り込まれた後、太陽系形成最初期の原始太陽系円盤での加熱プロセスを受けて大部分の粒子が同位体的異常を消失、または粒子そのものが消失した可能性がある。このような化学反応の速度は原始太陽系円盤の物理化学条件に依存するため、プレソーラー粒子は円盤物理化学条件を知る重要な手がかりとなる。本研究では、原始太陽系円盤を模した室内実験からプレソーラー粒子の酸素同位体交換反応・蒸発反応を解明し、惑星材料の進化の出発の場となる原始太陽系円盤の物理化学条件の制約を試みる。
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研究成果の概要 |
低圧のH2-H2O混合ガス中でのSiC蒸発実験では、加熱温度・時間・ガス組成に応じた蒸発量の変化が観察された。加熱後物質の表面にはTEM分析により、極めて薄いSiO2 層形成が確認された。蒸発速度は高温領域では温度に大きく依存せず、、低温領域では、加熱温度に大きく依存した。これらの結果から、原始太陽系円盤条件でのプレソーラーSiCの残存条件を温度や水蒸気圧の関数として決定した。 アルミナに関しては、速度データから非晶質アルミナの酸素同位体交換反応は、アルミナ結晶化よりも低温で進行し、原始太陽系円盤に持ち込まれたプレソーラー非晶質アルミナは太陽系の酸素同位体組成へとすみやかに変化する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プレソーラーSiC粒子、アルミナ粒子の残存可能性が明らかになったことにより、始原的隕石中の物質が経験した原始太陽系円盤の物理化学条件の制約が可能となる。また先行研究のプレソーラー珪酸塩粒子の残存可能性条件の結果をあわせることで、始原的隕石の観察結果から与えられている種々のプレソーラー粒子の存在量比との詳細な比較から原始太陽系円盤の物理化学条件の詳細な決定や、原始太陽系円盤に持ち込ま得れたプレソーラー粒子の状態 (熱力学的安定相か不安定相であるか) の推定につながると考えられる。具体的には、隕石中のプレソーラー酸化物・珪酸塩の存在量比の変化と実験的に決定したプレソーラーアルミナ・ケイ酸塩粒子
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