研究課題/領域番号 |
19K23488
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大橋 ひろ乃 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任研究員(常勤) (60853562)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋細胞 / 4Dプリンティング / ソフトロボット / 筋アクチュエータ / 匂い源探索ロボット / 印刷電極 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の3Dプリンティング技術は,自由な立体構造物の作製を可能とし,既存のロボット開発に大きく貢献した。しかしその構造物は想定される環境に合わせて静的に設計・製作されていることから,未知環境への柔軟性がないことが弱点であった。一方で,生物は,目まぐるしく変化する自然界の中で様々な刺激を受容し,瞬時に判断することでその刺激に対応している。これは,生物を構成する細胞自体が環境に対応・適応していくために性質を変化させる柔軟性,動的性質を持つためだ。そこで申請者は,従来の3Dプリンティングに動的要素という軸を加えるという着想を得た。本研究ではこのシステムを4Dプリンティングと定義し,その開発に着手する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,ソフトロボットの実現に向けた筋細胞の印刷技術の開発であった.近年,生物の柔軟性や環境適応性を持ったロボットを開発するため,素材に筋細胞を用いたロボットの開発が行われている.しかしその作製にあたっては,作製者の知識や熟練した技術が必要である.そこで作製の一部を3Dプリンタに置換することを考え,その技術開発に着手した.1年目は,3Dバイオプリンタで印刷した筋細胞入りゲルが電気刺激に対して収縮することが確認できた.しかし,その収縮は筋肉の表面の一部でしか確認できなかったため,最終年度の2年目はより収縮力の高いゲルの組成について検討した.その結果,前年度より大きな収縮が確認できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,ソフトロボットの実現に向けた筋細胞の印刷技術の開発にあたり,3Dバイオプリンタを用いた筋細胞の印刷および収縮力の高いゲルの組成条件の探索を行った.ここでいう筋細胞とは,筋芽細胞のことを指す.筋芽細胞は増殖し,分化が進むと筋管,筋線維となる.本研究成果は,印刷した筋細胞を培養し,電気刺激による収縮が起きたこと,さらに強い収縮が生み出せるゲル(筋芽細胞と混合して打ち出す素材,本研究では筋芽細胞の足場となる足場タンパク質)の組み合わせを見出したことである.これにより,生物の柔軟性や環境適応性を持ったロボットの開発に貢献できる.また,再生医療や創薬分野においても有用であるといえる.
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