研究課題/領域番号 |
19K23496
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
新井 優太郎 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (70844439)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ハイエントロピーセラミックス / セラミックス基複合材料 / 酸化 / 溶融含浸 / セラミックス複合材料 / ハイエントロピーセラミックス複合材料 / 耐熱材料 / 耐熱金属溶融含浸 / 高エントロピーセラミックス / 耐熱構造材料 |
研究開始時の研究の概要 |
音速の7~10倍で飛行する極超音速機の耐熱構造材料として、2000℃以上の酸化雰囲気で材料自身が酸化を抑制する構造材料を実現する。酸化雰囲気において表面に被膜の形成が必要な従来材料で問題となる被膜の消失に伴う部材の減肉を抑制するために、炭素繊維と耐熱高エントロピーセラミックス(RHECs: Refractory High-Entropy Ceramics)を複合した炭素繊維強化RHECs(C/RHECs)を創生し、表面被膜の形成に頼らずに、熱力学的に材料の酸化損耗を抑制するための新たな設計指針を提案し、効果を実証する。
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研究成果の概要 |
近未来の超高速輸送システムとして,大気圏を音速の7~10倍で飛行する極超音速機が注目されている。極超音速機の部材は飛行中に激しい空力加熱に曝されるため,酸化雰囲気で最高1800~2200℃程度まで加熱される。 本研究では熱力学的に酸化を抑制する炭素繊維強化耐熱ハイエントロピーセラミックス複合材料(C/RHECs)の作製プロセスを確立し,熱力学的な系の乱雑さである混合エントロピーを増加させたC/RHECsが,2000℃程度の超高温酸化雰囲気で酸化を抑制する効果があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来,酸化の抑制とは酸素を透過しにくい被膜を形成させることであった。被膜としてSiO2は1700℃程度までは極めて有効であったが,それ以上の温度では蒸発することが問題であった。本研究では従来の設計思想とは全く異なり,混合エントロピーが増大した耐熱セラミックス複合材料を作製した。これを1800℃以上の酸化雰囲気で曝露し,エントロピーの増大が酸化の抑制に効果的であることを示し,耐熱材料の設計においてエントロピーが有効であることを示した。超高速輸送システム(極超音速機)の部材は2000℃程度に曝露されるため,この新しい材料の創成により,材料設計における選択肢が大きく広がったと言える。
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