研究課題/領域番号 |
19K23499
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
原 峻平 同志社大学, 理工学部, 助教 (20844088)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 流動誘起ゲル / 乱流 / 界面活性剤 / 相転移 / 可逆・不可逆性 |
研究開始時の研究の概要 |
ソフトマテリアルの安定生産及び流動誘起ゲル相転移現象を利用した新規高機能性材料の開発等に向け,流動誘起ゲル相転移の理論構築が必要とされる.本研究では,流動条件を変更しつつ実験を行い,解析結果から流動誘起ゲルの作製プロセスの構築を目的とする.流動誘起ゲル相転移の可逆・不可逆性を整理できるモデル式を提案し,形成されたゲルの構造とその力学的特性をそれぞれ検証することで,体系的にまとめ上げ,目的達成を目指す.従来研究では,マイクロ流路中の層流に現れる可逆的ゲルに着目したものがほとんどだが,本研究では,径の大きい流路内に現れる乱流に亘る幅広い流動条件下で,流動誘起ゲル相転移の可逆・不可逆性の調査を行う.
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研究成果の概要 |
多種のフィルター付き滲出装置によって形成した流動誘起ゲルの可逆・不可逆相転移の条件と力学的特性を,可視化実験,レオメータによる動的粘弾性試験,粒子画像流速測定法および平面レーザー誘起蛍光法によって評価した.数十ppmオーダーの低濃度溶液であったとしても適切な変形率・変形量を与えると流動誘起ゲルが形成される.可逆・不可逆相転移の違いは,貯蔵弾性率と損失弾性率の低周波数域の標準偏差に現れることがわかった.また,乱流中で形成された流動誘起ゲルは乱流拡散により周囲の流体を取り込み二桁大きいサイズまで膨潤することを明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流動誘起ゲルの理論構築はソフトマテリアルの安定生産及び相転移現象を利用した新技術・次世代の新規高機能性材料の開発に繋がる.流動誘起ゲル相転移の具体的事例が少ないこともあり,その可逆・不可逆相転移の条件や力学的特性など未解明な部分が多い.本研究は相転移の可逆・不可逆性を整理しつつ,力学的特性まで含めた流動誘起ゲルの作製プロセスを構築した.この知見は,ゾル-ゲル相転移に関する研究の進展に大きく寄与するものであり,今後はさらに汎用性の高いゲル形成条件の予測式の提案に向けた重要な知見となる.
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