研究課題/領域番号 |
19K23503
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0301:材料力学、生産工学、設計工学、流体工学、熱工学、機械力学、ロボティクス、航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 祐平 九州大学, 工学研究院, 助教 (30847207)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水素エネルギー / 水素脆化 / 鉄鋼材料 / 疲労き裂伝播 / 変形・破壊 / 疲労き裂進展 / 転位 / 塑性域 / 水素 / BCC鉄 / 粒界破壊 / 温度 / トラップサイト / BCC鉄鋼材料 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
高圧水素ガス蓄圧器や水素ガスパイプラインを構成する,炭素鋼・低合金鋼など体心立方構造(BCC)鋼製の部材では,水素による疲労き裂伝播の加速を考慮に入れた安全設計指針の構築が喫緊の課題として浮上している.本研究では,実部材で変動が想定される因子(応力拡大係数,周波数,水素ガス圧力,温度)を全て反映し,疲労き裂伝播の加速を予測可能とする包括的破壊モデルの確立を目指す.そのため,広範な力学・環境条件下における疲労き裂伝播特性の網羅的把握と破壊経路部の精緻な変形組織分析を融合させ,水素侵入に伴うき裂先端部のミクロな軟化・硬化に立脚し,水素誘起疲労き裂伝播の潜在的機構を転位論的観点から解明する.
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研究成果の概要 |
高圧水素ガス蓄圧器・パイプライン用鉄鋼材料において問題とされている疲労き裂伝播加速現象のミクロ機構を解明するため,モデル材料である工業用純鉄を用いた疲労き裂進展試験を,幅広い温度・水素ガス圧力の下で系統的に実施した.電子顕微鏡観察および過大荷重負荷に伴うき裂伝播遅延現象等を利用し,疲労き裂前縁に形成される塑性変形領域内部における変形・破壊プロセス,および塑性域寸法の発達に対する水素の役割を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素エネルギー関連機器の普及拡大には高圧水素環境で使用される構造用金属の低コスト化が不可欠であり,そのために,現行材料であるオーステナイト系ステンレス鋼に対して安価な体心立方構造(BCC)鋼(炭素鋼,低合金鋼など)の積極的利用に期待が集まっている.BCC鋼の利用に向け,その水素脆化機構に関する学術基盤の構築が急がれているが,本研究ではその一環として疲労き裂進展加速現象に着目し,新たな重要知見を得ることに成功した.
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