研究課題/領域番号 |
19K23527
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松丸 大樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (30849146)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 電圧標準 / ジョセフソン効果 / 超伝導体 / 精密測定 / オームの法則 / SI単位 / 熱伝導 / 低温 / マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波 / デジタル回路・信号処理 / 超精密計測 |
研究開始時の研究の概要 |
国際単位系(SI)の改定により、電流の単位A (アンペア)が電気素量eを不確かさのない値と定めることによって定義される運びとなった。すでに実現している量子力学的な電圧・抵抗に加え、電流をSIの新しい定義に基づいて実現することによって、量子力学的に、独立に3つの物理量が求まる。これら3つの物理量を用いることで、巨視的な観点では成り立つとみなされている「オームの法則」を量子力学の観点から検証すること(量子メトロロジートライアングル(QMT))が出来るようになる。本研究では、QMT測定における差電圧測定の不確かさ低減を目指す。
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研究成果の概要 |
量子力学的に独立に生成した電流・電圧・抵抗の各物理量を、オームの法則に基づいて相互に検証する実験を量子メトロロジートライアングル実験という。本研究では、差電圧測定を行う電圧計に生じるゲインエラー(入力に対する出力のずれ)に着目し、差電圧の動的なトラッキングによる測定不確かさの低減を目指している。この機構の導入によるノイズ振幅の低減効果をシミュレーションするとともに、配線の最適化を行うことで希釈冷凍機中に実装された電圧標準素子の安定動作を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子メトロロジートライアングルの検証は、量子力学によって導かれた法則がどの程度精確に実現しているかを相互に検証するものであり、基にした現象の確かさを見極める稀有な研究と言える。また、本研究における動的なトラッキングは、これまでになかったリアルタイムのフィードバック補正を可能にするものであり、量子メトロロジートライアングル実験のみならず、微小電圧計測の高精度化・測定回数の低減などにも寄与することが期待できる。
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