研究課題/領域番号 |
19K23554
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
|
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
児玉 千絵 國學院大學, 観光まちづくり学部, 講師 (30847314)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ストックマネジメント / 都市形成史 / 公共施設 / 超長期的ストック効果 / 都市更新モデル |
研究開始時の研究の概要 |
現在日本では人口減少にあわせて都市インフラの総量削減が求められている.本研究では,公共施設の設置・移転で生まれる都市空間の集積と,公共施設整備によるストック効果の「超長期的」な喪失・生成メカニズムを解明するため,具体的な都市における近代以降の様々な公共施設の設置・移転・廃止の実態を通時的な都市形成史として明らかにするとともに,施設周辺の企業支店・支社等の都市組織の変容を質的・量的に同時に記述する. このような方法論により,公共施設の統廃合計画を,各インフラと周辺都市空間の相互関係を踏まえた都市ストックのトータルマネジメントの中に位置づけるとともに,非集計的な都市形成史の手法論を試みる.
|
研究実績の概要 |
現在日本では人口減少にあわせて都市インフラの総量削減が求められている。既に多くの公共施設(建築物)で老朽度に応じた更新・統廃合計画が進んでいるものの、公共施設の設置・移転で生まれる都市空間の集積とストック効果及び現行統廃合計画以前の長期的な都市履歴の解析を踏まえた公共施設マネジメント方策が検討されているとは言い難い。そこで本研究は、人口減少にあわせて都市インフラの総量削減が求められる中、公共施設の設置・移転で生まれる都市空間の集積と、公共施設整備によるストック効果の「超長期的」な喪失・生成メカニズムを解明することを目指している。具体的には、第1期で点としての公共施設等の設置・移転データを収集した愛媛県松山市を対象に、線としての交通インフラである都市計画道路の計画変遷を可視化する作業を行い、図書として刊行した。また、今後リニア中央新幹線の整備によって新たな広域高速交通網が形成される岐阜県東濃地方を新たな対象地として、近世の街道沿い集落や宿場町・在郷町等が、近代化の過程でどのようなインフラ整備を行ってきたのか。また、それらが将来リニア中央新幹線の開通や高速自動車道の自動運転サービス開始によってどのように再編されるべきかという視点から、過去に存在したインフラの設置・移転・廃止の実態を明らかにするとともに、インフラ周辺の都市化状況を質的・量的に同時に記述することを目指した。今期は、調査対象地を中津川市付知町に絞り、森林鉄道等の林業インフラが地域内の関連産業の立地等にどのような影響を与えたか、また林業の形態によってその後の地域内の産業発展やインフラ活用にどのような差を生み出してきたかについて調査研究を実施した結果をベースに、他地域の林業インフラの整備経緯等について他の研究者らと意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により当初見通しよりも現地調査等の実施が困難である点について、調査対象先を現地の協力者による遠隔での資料収集等に対応できる体制を構築し、研究を進めることができた。また、他の研究者ともオンラインでの意見交換、情報交換等を実施し、研究成果を多角的な視座から俯瞰することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで実施してきた他研究者との意見交換・情報交換をより一層進めていくため、引き続き岐阜県東濃地方を対象に調査研究を実施する。同対象地では、公共施設等に関してこれまで収集できていない欠損データがあるため、追加調査を実施し、データベースの整備を進める。また、林業インフラ以外の公共施設等についても収集したデータを活用し、広域的な施設配置変遷や土地利用変遷について比較分析に効果的な可視化手法の検討を進める。 また、社会情勢を鑑み現地調査等が予定通り実施できない可能性を考慮し、オンラインインタビュー等の実施に向けた必要機器等を整備する。
|