研究課題/領域番号 |
19K23556
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉江 俊 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (60844248)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ジェントリフィケーション / 都市再生 / 再開発 / 高級化 / 大都市圏 / 都市論 / 民間企業 / 公共介入 / 格差 / 民間都市開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、21世紀初頭の政策再編とともに、都市開発の主体が国や自治体から民間企業に移行したことに着目する。そして、近年の都市開発が引き起こしつつある「ジェントリフィケーション」、すなわち住民流入による新旧の都市環境の物理的・社会的分裂という課題を網羅的に把握し、これに対して国や自治体が行う「公共介入」の評価を行う。 研究は(1)ジェントリフィケーションの網羅的把握、(2)民間開発に対する公共介入の類型論、(3)民間開発に対する公共介入の評価という3つの段階からなり、最終的には居住者の多様性と多様な住環境価値を実現する民間都市開発に向けた公共介入の計画学的提言を行うことを目指す。
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研究成果の概要 |
ジェントリフィケーションは、都市再開発によって地域が高級化し、従来の居住者が移動を余儀なくされたり心理的に居場所を失うという資本主義諸国で現れている最重要都市課題のひとつである。本研究ではまず海外事例と日本の大都市におけるジェントリフィケーションの違いを整理し、日本建築学会の月刊誌に発表した。 さらに、首都圏・中京圏・近畿圏の3大都市圏におけるジェントリフィケーションの進行を可視化する技術を開発し、各都市圏の進行度合いを比較した。また都市再開発に携わる事業者・専門家と研究会を重ね「都市再生」の評価指針を整理した。 この研究期間内に、日本建築学会計画系論文集など10本の査読付き論文を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本でこれまで積極的に議論されなかったジェントリフィケーション(地域の高級化)の実態を初めて可視化し、都市によって異なる格差化が進んでいることを明らかにし、これからの「都市再生」ではなにを主眼とすべきかを論じた。 これらの成果は、バブル経済崩壊以来行われてきた民間企業を中心とした都心部への集中投資・開発が、どのような効果をもたらしてきたのかを批判的に把握する重要な手掛かりとなる。それだけでなく、これまでの再開発手法ではなく広く「都市再生」を考えた際に、どのような手法が取られるべきかを、研究者のみならず実務に携わる人びととの討議を重ねることで共有する社会的意義を有する。
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