研究課題/領域番号 |
19K23560
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0304:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
大村 早紀 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 研究員 (70848283)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 伝統木造住宅 / 崩壊形 / 倒壊限界変形 / 破壊機構 / 極大地震 |
研究開始時の研究の概要 |
今後も発生が予測される極大地震に対して、伝統木造住宅の倒壊被害を軽減するためには、変形性能を向上させる耐震対策が必要不可欠である。そのためには、伝統木造住宅の倒壊時の破壊機構を解明し、倒壊限界変形を適切に評価することが極めて重要である。 そこで、本研究では、伝統木造住宅の倒壊限界変形評価のための実用的な破壊機構推定法の構築に向けて、A) 平面架構の破壊機構の解明、B) 外力分布が破壊機構に及ぼす影響評価、C) 面外部材が破壊機構に及ぼす影響評価を目的とした検討を行う。本研究は、伝統木造住宅の耐震性能評価の新たな考え方を提示するとともに、倒壊被害軽減に向けた耐震対策を促進するものである。
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研究成果の概要 |
(A)崩壊形推定式の提案:2階建て伝統木造軸組架構を対象とし、崩壊形を推定可能な崩壊形推定式を提案した。架構の崩壊形が1層崩壊形・2層崩壊形・全体崩壊形のいずれかとし、各崩壊形について求めた層せん断耐力が一番小さい崩壊形となるとする。本成果により、伝統木造住宅の変形性能を向上させる耐震対策を検討可能とした。 (B)水平構面による影響分析:建物の構造が振動特性に及ぼす影響の把握のための応答解析を行った。検討対象建物は1列3室型の2階建て京町家とし、せん断バネおよび回転バネで結ばれた4質点系でモデル化した。解析により、伝統木造住宅において、ある構面の崩壊形が隣接構面による影響を受ける可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、2016年熊本地震など、設計時の想定を超えた極大地震による、木造住宅の倒壊被害が多数報告されている。今後も発生が予測される極大地震に対して、木造住宅の倒壊被害を軽減するため、変形性能を向上させる耐震対策が急務となっている。本研究の成果は、伝統木造住宅の変形性能に大きく関わる崩壊形を推定するという新たな考え方を提案するものであり、変形性能を向上させる耐震対策を講じることを促進できるものである。
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