研究課題/領域番号 |
19K23570
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宮澤 直己 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (40847787)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 分子動力学 / 第一原理計算 / チタン / 双晶 / 粒界 / チタン合金 / 分子動力学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
α-Ti合金における室温プレス成形性の向上に向けて、微量添加元素による双晶界面のクラック抑制機構を探る。α-Tiは高比強度、耐食性、生体適合性に優れ、構造材料から生体材料まで幅広い分野で利用されているが、難プレス成形材であることが問題となっている。これはα-Tiで形成される双晶界面においてクラックが生じることが一因であることが挙げられる。そこで本研究では、分子動力学計算による転位と双晶の相互作用の解析及び第一原理計算による双晶界面の破壊耐性の解析を行う。これら原子論と電子論の結果を比較考慮することで、単独の計算では解明し得ないクラック抑制メカニズムを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
分子動力学法を用いて,チタンの双晶における界面強度に及ぼす固溶酸素の影響を調査した.また,様々な添加元素が界面強度に及ぼす影響を調査するため,Mgのねじれ粒界に及ぼす添加元素の影響を調査した.その結果,添加元素は界面上に高濃度で偏析する場合に界面強度を高め,交差すべりの活性化や転位の堆積等を引き起こすことが分かった.一方,界面に直接偏析しない場合や添加元素の濃度が低い場合は,転位は界面を容易に通過することが分かった.また,分子動力学法の結果を第一原理計算と比較した.その結果,添加元素が母相の原子と共有結合的な結合を形成する場合に界面強度を高める傾向にあることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで分子動力学法を用いてチタンの界面強度に及ぼす固溶元素の影響を調べた研究は限られていた.従来の研究では第一原理計算を用いて固溶原子の静的な電子状態を調査した研究が主であり,転位と双晶の相互作用のような動的な解析についてはほとんど行われてこなかった.本研究では置換型元素である酸素の強化機構が置換型元素と大きく異なることを明らかにしたことに学術的な意義がある.また第一原理計算と比較することで電子状態と転位の運動論を結び付けたことは材料設計における電子論の有用性を示したと言え、社会的にも意義があると考えられる.
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