研究課題/領域番号 |
19K23575
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 啓 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (00842577)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 摩擦攪拌プロセス / ツール摩耗 / 表面合金化 / 炭化タングステン / 鉄鋼材料 / 固溶 / 界面反応 / メカニカルアロイング / 固溶強化 / 結晶粒微細化強化 |
研究開始時の研究の概要 |
高速回転させたツールを金属材料表面に押し付けることで生じる摩擦攪拌現象は,材料間の接合や組織改質手法として広く用いられている.多くの場合,鉄鋼材料のような高融点金属における摩擦攪拌現象にはツールの摩耗を伴うが,このときに施工部へ供給されるツール構成元素は,材料の組み合わせに応じて,良くも悪くもその後の組織形成や各種特性に影響を及ぼし得る.本研究では,それらを系統的に理解するとともに,本現象を局所的な複合化・元素添加プロセスとして捉え,鉄鋼材料の高強度化・高機能化を達成するための新しい表面改質手法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
摩擦攪拌プロセス(FSP)は,回転ツールを利用した金属材料の表面改質手法である.鉄鋼材料に代表される高強度金属のFSPにおいて,ツールの摩耗は不可避な問題であり,実用化するうえでの大きな障害となっている.本研究では,FSP中のWCツールの摩耗によって種々の鉄鋼材料へ供給されたツール構成元素が,その後の組織形成に及ぼす影響を解明し,当該現象の逆活用による新規固相合金化プロセスとしての基礎を確立した.また,ツール構成元素の合金化機構を明らかにするために,FSP中のツール/鋼界面の凍結を試み,WC粒子と鋼側のFeの反応により生じた化合物層の破砕・分解を経て,WとCが鋼中固溶されることを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの研究者が“摩耗しないツール”の開発に注力するばかりで,摩耗したツール材と鉄鋼材料との間で生じる組織変化に着目した研究自体がほとんどなく,本研究はFSP中に生じるツール側の組織変化から鋼側への元素移動までを材料科学的に詳細に捉えた最初の研究となった.また,本現象を逆活用することにより,鋼構造物中の所望の領域に対してのみ,高疲労強度や高耐摩耗性を付与することが期待でき,ひいては製品設計上の材料選択における自由度の大幅な拡大が実現可能であると考えられる.
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