研究課題/領域番号 |
19K23577
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 (2020) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
藤崎 貴也 東北大学, 多元物質科学研究所, 学術研究員 (30846564)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 第一原理計算 / クラスター展開法 / クラスター展開 / アトムプローブトモグラフィー / プロトン伝導体 / 透過型電子顕微鏡 / 密度汎関数理論 / クラスターエクスパンション・モンテカルロ法 / プロトン伝導性酸化物 / 密度汎関数法 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでの研究結果から、理論計算において格子エネルギーが最も小さくなるプロトン伝導体の原子配置は、実際には取りにくいのではないか、という仮説を立てている。このことを明らかにするために、申請者は理論と実験手法を融合させた研究手法を提案している。プロトン伝導体の理論計算を行っている研究者の中で、上記のことを言及している研究者は申請者以外に確認されておらず、学術的に大きな価値がある。特にプロトン伝導体の理論計算を進めていく上で、適した格子エネルギーを示すことが出来れば、理論計算を行う研究者コミュニティーに対して優れたガイドラインになると期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、水蒸気電解や燃料電池の電解質に応用可能なプロトン伝導性酸化物に注目した。これはペロブスカイト構造に三価のカチオンが一部添加されている。有限温度におけるカチオンの位置を、密度汎関数理論とクラスター展開・モンテカルロ法によって調査したところ、それはクラスターを作らず孤立していることが示された。また、新たに東北大学の研究グループとの共同研究も始まり、三価のカチオンの位置が体積弾性率に与える影響も明らかにすることができた。この研究は日本セラミックス協会第33回秋季シンポジウムではベストプレゼンテーション賞を受賞した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
燃料電池の電解質に応用可能なプロトン伝導性酸化物の物性を、原子スケールから理解するためには、コンピュータを使った理論的研究手法が欠かせない。この手法を実施する上で、「原子配置に依存したプロトン伝導体の静電ポテンシャルの和が、理論計算で最小であれば、その原子配置は実験的にも再現されるべきである」との認識は研究者コミュニティーの間で半ば常識となっていた。しかしながら、申請者は密度汎関数理論(DFT)とクラスターエクスパンション・モンテカルロ(CEMC)法を用いることで、上記の常識は必ずしも当てはまらないことを示唆することが出来た。
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