研究課題/領域番号 |
19K23581
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
青山 高士 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 廃炉環境国際共同研究センター, 博士研究員 (60752623)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ステンレス鋼 / 腐食防食 / 局部腐食 / 金属カチオン / インヒビター |
研究開始時の研究の概要 |
ステンレス鋼上で発生した局部腐食では、腐食部内部と外部に生じる電位差によって腐食部内部への陰イオンの泳動が生じる。鋼材から溶出した金属イオンの一部は局部腐食の進展を抑制するとされている。通常、金属イオンは陽イオンであるため、腐食部内部へ泳動することはなく、環境中へ添加することによって腐食部内部へ導入し、腐食抑制作用を得ることは困難である。そこで、本研究では金属イオンをキレート化し、陰イオンとすることによって環境中から腐食部内部へ金属イオンを導入する。腐食部内部へ泳動した金属イオンの腐食抑制機構を解明することで、新規腐食抑制剤開発の指針を得ることが期待される。
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研究成果の概要 |
Cu2+イオンをエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム銅(II)([Cu(EDTA)]Na2)としてキレート化することにより腐食抑制剤として用いる方法を検討した。塩化ナトリウム(NaCl)溶液に[Cu(EDTA)]Na2および塩化銅(CuCl2)を添加した溶液中で腐食試験を行うことで、鋼種や溶液によって異なる効果が生じることを見出した。溶液のpHによってキレート化するCu2+イオンの割合が変化することや、鋼中の介在物が影響していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では陽イオンである金属イオンをキレート化し、塩化物溶液中に添加することで、ステンレス鋼の局部腐食発生を抑制できることを見出した。このことにより、金属イオンを用いた新規腐食抑制剤の開発指針を得ることができた。金属元素を合金元素として鋼中に添加するのではなく、溶液中でキレート化するという観点の創出は腐食抑制剤の開発において貴重な提案であるといえる。
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