研究課題/領域番号 |
19K23584
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
豊田 耕平 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (40740212)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 軌道角運動量 / 光渦 / ハイドロゲル / 光と物質の相互作用 / 光の角運動量 / ソフトマテリアル / 非線形光学 / 応用物理 |
研究開始時の研究の概要 |
光マニピュレーションをはじめ、光波の力学的作用を活用した生体組織の操作が注目を集めている。光波の新しい力学パラメーターである角運動量を活用すれば生体組織の捩じり応力など、これまで計測が不可能であった生体組織の動力学特性が計測できる可能性がある。「光波の力学的な角運動量は生体組織のようなソフトマテリアルにどのように作用するのか?」これまで全く先行研究がないこの問に明快な解を与えるため、軌道角運動量を持つ光渦と生体組織のシミュレーターであるハイドロゲルの力学的相互作用を可視化する。
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研究成果の概要 |
本研究では金イオン添加ハイドロゲルに対して光渦を照射し、ゲルの物性、光の特性によってどのような力学的応答が示されるかを調査した。作成したハイドロゲルであるPEGDAに対して、塩化金(Ⅲ)水溶液に浸漬させ金イオンを添加した。塩化金(Ⅲ)の濃度を変えて、光伝搬の散乱光および形成されたフィラメントを観察した。0.4~4 mg/ml時にはフィラメントが形成されたが、10 mg/mlおよび金イオンを添加しない場合には形成されないことがわかった。金イオンの添加量によって相互作用する条件があることを明らかにした。また光渦のトポロジカルチャージによってねじれの方向および分岐数を制御できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光の軌道角運動量を活用することで、生体組織のようなソフトマテリアルが持つ捩じり応力など、従来、未知であった動力学特性が明らかになることが期待される。しかし、ソフトマテリアルと軌道角運動量の相互作用を直接計測・可視化する手段はなく先行研究は皆無であった。本研究成果は、ソフトマテリアルと軌道角運動量の相互作用ダイナミクスを直接計測することができたことを示している。これらの成果はソフトマテリアルと光の軌道角運動量の相互作用について確認した初めての例である。軌道角運動量がハイドロゲルに与える力学的作用についてさらに研究を進展させ、生体組織を対象とした研究へと発展させていく。
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