研究課題/領域番号 |
19K23586
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
岩國 加奈 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教 (80837047)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | デュアルコム分光計 / 分子分光 / 光コム / 中赤外分子分光 / 中赤外光コム / 高感度分子分光実験 / キラル分子 |
研究開始時の研究の概要 |
構造が複雑な分子のスペクトルの煩雑性を低減し、高感度にスペクトルを観察するために、中赤外光コムを光源とした新奇分光手法を提案・検証する。キラル分子は非対称コマ分子の一つであり、基礎科学分野で重要な分子である。キラル分子の右手系と左手系の識別や、その起源の解明には高感度・高分解能分光が必須である。しかし、分子の対称性が低いため観測されるスペクトルは非常に煩雑である。中赤外領域で分光するとスペクトルの煩雑さが軽減することが知られているが、高感度な分光が難しい。そこで本研究では、光の偏光と非対称コマ分子が3つの軸方向に双極子モーメントをもつことを利用して、高感度に分光する手法開発を目指す。
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研究成果の概要 |
近年開発が盛んなデュアルコム分光計は広帯域スペクトルを高分解能かつ短時間で測定できる装置だが、分子の指紋吸収線が存在する中赤外領域への拡張が期待されている。しかし、一般的な中赤外用受光器はダイナミックレンジが狭いため、検出感度が低い。そこで本研究では分子のエネルギー準位構造に着目し、受光器のダイナミックレンジをフルに活用した分光計の開発を目指した。1台のレーザー共振器でfrepが異なる光コムを発生できるオリジナルなデュアルコム分光計の構成を考案し、非線形ループミラーでモード同期を実現した。また、開発した光コムをRb原子時計に安定化して、N2O分子の分光を行い、その性能を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子に比べ分子は振動・回転の自由度のため、精密分光の対象となる分子種は構造が比較的単純な分子に限られているが、大気化学や医療などの応用に重要な分子は構造が複雑である場合が多い。 スペクトルの複雑さの低減には、吸収強度が大きく、また、単位エネルギーあたりの状態数密度が低い中赤外領域での分光が適す。本研究で開発した光コムはPMファイバーで構成されており、温度や風などがコントロールされていない実験室環境でも有用であることが実証された。
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