研究課題/領域番号 |
19K23592
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
野間 大史 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 特別研究員 (30846283)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超分子 / 極性 / キラリティ / 光電変換 / シフトカレント / 光第二高調波発生 / 光第2高調波発生 / 時空間分解 / 強誘電体 / 非線形光学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、レーザーを用いた非線形分光測定により、超分子膜における新規な光電変換原理の時空間的な解析を行う。はじめに、フェムト秒レーザーをサンプルに照射し、発生した半波長の光(SHG)から極性構造の面内分布の評価を行う。併せて時間分解測定も行い、光照射や電圧印加による超分子の極性構造の時間変化からキャリア挙動を解析する。最終的にはイメージングと時間分解測定を同時に行い、超分子の新規な光電変換メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、キラルなサブフタロシアニンの単結晶において、新しい光電変換プロセスであるシフトカレントが発生することを光電流の偏光依存性の測定から実証した。また、キラルペロブスカイトの単結晶の表面に光を当てたときと単結晶/電極界面に光を当てたときで流れる光電流の偏光依存性が異なることを発見した。これは単結晶表面と単結晶/電極界面で異なる光電変換現象が起きていることを示唆しており、キラルペロブスカイトの光電変換メカニズムの解明につながる重要な成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で測定に成功したシフトカレントは物質の反転対称性の破れによって生じる新奇的な光電変換プロセスである。先行研究で評価されてきた無機結晶のシフトカレントとは異なり、分子のキラリティなど有機材料特有の性質に起因して発生している点が新しく学術的に意義がある。またシフトカレントは原理的にエネルギー損失が少なく、高性能な光電変換素子を設計することが可能である。将来は太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及に貢献でき、その社会的意義は大きいと言える。
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