研究課題/領域番号 |
19K23596
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
廣田 聡 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 博士研究員 (20847181)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ES/iPS細胞 / 合成ハイドロゲル / バイオマテリアル / 幹細胞ニッチ / ハイドロゲル |
研究開始時の研究の概要 |
ハイドロゲルは網目状構造内に多量の水分子を含む高分子であり、生物組織と類似した特徴を持つことから、バイオマテリアルとしての応用が期待されている。特に再生医療研究では、ES/iPS細胞を含む様々な幹細胞を用いた研究が盛んに行われており、細胞を支持し、機能調節する基質としてハイドロゲルが注目されている。そこで本研究では、化学合成した種々のハイドロゲルを培養基質として使用することで、基質がもつどのような性質がES/iPS細胞の制御に重要であるか明らかにする。これにより、細胞外基質による細胞の機能制御の基本原理を解明するとともに、多能性幹細胞の新たな培養法や分化誘導法を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
ハイドロゲルは網目状構造内に多量の水分子を含む高分子であり、生物組織と類似した特徴を持つことから、バイオマテリアルとしての応用が期待されている。本研究において、ES/ iPS細胞を種々の合成ハイドロゲル上で培養し、未分化状態の維持が可能であること、また、いくつかの合成ハイドロゲル上では分化能に影響を与えることが分かった。さらに、ハイドロゲル表面の電荷が幹細胞機能に大きく影響することを見出し、培養基板の電荷が幹細胞に与える影響とこれに応答する分子メカニズムの一端を解明することができた。以上の成果は、電荷によって幹細胞機能の制御することができる新たなバイオマテリアルの開発につながると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞は様々な環境情報を認識し、その変化に適切に応答しつつ複雑な器官な形成や恒常性の維持を可能とする。ES/iPS細胞などの多能性幹細胞でも、周囲の環境の微妙な変化が、未分化性や分化能に重大な影響を及ぼす。本研究により、組成が明確な合成ハイドロゲルを用いることで、幹細胞機能を制御する新たな足場の物理的な性質とその分子メカニズム一端を明らかにした。これは「細胞外基質の様々な性質が幹細胞の機能にどのように影響するのか」という細胞生物学上の重要課題の解明に貢献するものである。今後、この成果を端緒として合成培養基質により幹細胞機能を自在に制御するという再生医療研究の新たな潮流を創造できると考えている。
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