研究課題/領域番号 |
19K23600
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 昌輝 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (40843149)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞工学 / 再生医療 / オルガノイド / 動物実験代替 / 腎臓 / 前駆細胞 / ストローマ / 拡大培養 / 増幅培養 |
研究開始時の研究の概要 |
既報の腎臓オルガノイドは、腎臓以外の雑多な細胞も混入し、局所的かつ不完全な腎構造の再現に止まる。この原因の一つは、腎臓の3種類の前駆細胞のうち、ストローマ前駆細胞の分化誘導系、およびその維持・増殖培養系が未確立なことにある。本研究では、腎ストローマ前駆細胞で発現する遺伝子Foxd1に着目し、緑色蛍光タンパク (GFP) でその発現を標識できるよう遺伝子改変した幹細胞と、Foxd1-GFPトランスジェニックマウス由来の初代培養細胞とを併用することで、これらの課題を効率的に解決し、腎臓の再生・精緻で実用的なオルガノイドの構築といった工学的アプローチのために不可欠な基礎技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
腎前駆細胞のin vitroでの維持・増殖法に関する知識の獲得は、腎臓の再生医療にとって重要である。本研究では、腎ストローマ前駆細胞の拡大培養を可能にする培養システムの構築を目指した。我々は、ある複数の増殖因子と小分子化合物からなる組合せが前駆細胞の未分化状態の維持および増殖に適していることを見出した。また、この培養系で培養された細胞と、単離直後の細胞を比較し、遺伝子発現パターンが非常に似通っていることを確かめた。さらに、培養条件を最適化することで、腎オルガノイド中での腎ストローマ前駆細胞の分化を観測することに成功した。これらの結果を基盤とした後継プロジェクトも現在進行中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓は20種類以上の細胞からなる非常に複雑な構造を持ち、その構造と機能は密接に関連している。ゆえに再生医療などを目指した成体の腎組織の直接的な再構築は困難である。しかしその発生過程に着目すると、主に3種類の前駆細胞からなる単純な構造に始まり、それらの細胞間の相互作用を通じて複雑化していく。つまり、この3種類の前駆細胞を準備し、初期の単純な構造を再構築することが、複雑な成体の腎臓を再構築する端緒となると考えられる。本研究は、その3種類の前駆細胞のうち腎ストローマ前駆細胞に着目し、その適切な拡大培養法を開発することで再生医療などを視野に入れた腎組織の再構築に資することを目的として行った。
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