研究課題/領域番号 |
19K23605
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2020) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
佐藤 麻衣 九州大学, 大学病院, 助教 (70850238)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 胎盤機能再生 / iPS細胞 / 胎盤器官芽 / 人工胎盤 / 胎盤機能不全 / 器官芽 |
研究開始時の研究の概要 |
胎盤機能が妊娠中期に不全状態に陥ると、児は神経学的障害や発達障害を合併する頻度が高くなる。現在は可能な限り在胎期間を延長する待機療法が主流だが、予後不良な症例も未だ多数存在している。 本研究では胎盤機能不全に対する胎盤機能再生医療を実臨床へ展開するための治験を得ることを目的とする。その概要はヒトiPS細胞由来の絨毛様細胞を用いた立体的な胎盤の器官芽を作成し、1)作成した胎盤器官芽を超免疫不全マウスの子宮や胎盤へ安定して移植できる手技を確立し、2)その生着および胎盤機能の検証を行い、さらに3)胎盤機能不全モデルマウスを用いて人工胎盤移植により胎盤機能が再生することを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
病的胎盤に起因する早発型の重症妊娠高血圧症候群や胎児発育不全の児の予後は不良である。応募者は胎盤機能不全に対する「人工胎盤移植による胎盤機能再生医療」につき研究しており、今までiPS細胞から誘導した絨毛様細胞を用いた立体的胎盤器官芽の作成、絨毛様細胞の誘導日数条件に対する検討、作成した器官芽の細胞分布、免疫不全マウスの子宮内への移植実験を行い成功例を得ることができた。最終年度は以前より希望していたiPS培養の専用の培養を購入し、実験環境の整備を行うことができた。マウスへの移植実験結果については近年中に発表見込みである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器再生医療には立体的な臓器の原器(器官芽)を作成することが有用な手法であると報告され注目を集めている。本研究もTakebeらの既報と同様の手法を用いて胎盤器官芽を作成した。この手法が発表されてから、肝臓、腎臓、腸管、肺、心臓、脳など各種臓器の器官芽を用いた研究が報告されてきたが、胎盤での報告例はない。本研究で作成した胎盤器官芽は汎用性・再現性のある、より生体に近い機能的な胎盤組織培養系としても使用できる。胎盤機能再生にとどまらず、病因の解明や新規薬剤の開発にも応用できるなど、胎盤を対象とした研究が飛躍的に進むことが期待される革新的な研究であると考えられる。
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