研究課題/領域番号 |
19K23611
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小松 周平 東京理科大学, 基礎工学部 材料工学科, 助教 (60843844)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨再生 / 骨粗鬆症治療 / 有機無機ハイブリッド材料 / 薬物担体 / 有機無機ハイブリッド / 感温性分解性高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、社会的問題である骨粗鬆症の解決できる革新的な「薬物内包可能な骨誘導能を持つ炭酸アパタイト粒子を用いた骨粗鬆症治療」を目的とする。 この材料設計において、骨再生を誘導するBMP-2を付着可能で骨誘導能を持つ炭酸アパタイト、骨再生時に破骨細胞が産生する酸により溶解し、薬物放出孔を形成する炭酸カルシウム、薬物を変性させずに内包するコアセルベート液滴から構成されているため、単一種の材料では発揮できない骨再生と薬物徐放を可能とする、既存の骨再生材料の問題点を克服しうる骨粗鬆症の治療材料である。
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研究成果の概要 |
本研究では「薬物内包可能な骨誘導能を持つ新規炭酸アパタイト粒子を用いた骨粗鬆症の治療」を目的とし、実験を行った。作製した粒子はコアシェル構造をとっており、シェルは溶解し骨に変わるCO3Ap、コアは生分解性高分子から構成されている。シェルには骨形成タンパク質を、コアには疎水性低分子薬物をそれぞれ担持させることができた。さらに、骨芽細胞を粒子存在下で培養すると、骨細胞の分化マーカーであるオステオカルシンの発現量が増加し、石灰化結節が確認できた。以上より、作製した粒子は骨粗鬆症の治療への応用に期待ができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨粗鬆症は罹患すると、寝たきりになり、認知症発症の悪循環に陥り、患者のQOLを著しく低下させる重篤な疾患である。骨粗鬆症の治療材料には、薬物内包が可能、新生骨の形成を誘導できる能力、低侵襲性などの特徴を持つものが望ましい。本研究では、骨粗鬆症の治療のための薬物内包可能な骨誘導能を持つ新規炭酸アパタイト粒子を作製した。作製した粒子は、骨へのインジェクトが可能な大きさであり、粒子の内部と表面にそれぞれ薬物を担持することが可能であった。さらに骨芽細胞を骨細胞へと分化誘導できたことから、骨粗鬆症を治療できる材料として期待できる。
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