研究課題/領域番号 |
19K23618
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
陳 旻究 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (90827396)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 分子ローター / 発光性結晶 / Molecular Rotor / Luminescent Crystal / Chiral Crystal / CPL |
研究開始時の研究の概要 |
アンフィダイナミック結晶とは、高い結晶性を持ちながら、その構造の一部で速い回転が見られる結晶である。通常の分子結晶では、結晶内での構造の大きな変化は期待できないが、アンフィダイナミック結晶では一部構造が回転によって大きく変化するため、通常の分子結晶では得られない特異な固体物性を発現することが期待できる。本研究では、アンフィダイナミック結晶をベースに、外部電場や温度変化に対する外部刺激応答性を用いて結晶のキラリティーを制御するとともに、金(I)錯体の発光特性をハイブリッドすることで固体円偏光発光(CPL)が外部電場により制御可能な新規発光機能の開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本採択研究では、高い結晶性を持ちながら、分子やその一部が結晶中で高速な回転運動を示すアンフィダイナミック結晶に光機能性を付与する設計技術の開発を目指した。主に発光性金(I)錯体を基本骨格として導入し、回転部位にダイポールを付与するなどの分子設計を行い、興味深いことに、その結晶中の回転部位の運動性の変化に応じて、固体の発光性やマクロな結晶外形が変形するなど新規な物性が発現された。また、豊富な化合物ライブラリーを持つNHC金属錯体からなる新規な発光性アンフィダイナミック結晶を見出すことに成功し、既存の報告例では困難だった回転運動の合理的な制御が可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果では、分子回転というナノスケールのダイナミックスが結晶構造を媒体として、そのマクロスケールである結晶の外形変形および発光物性に密接に関与したという新たな知見を見出した点で学術的意義性が高い。また、NHC錯体を用いた新規な結晶性分子ローターでは、既存の設計指針では得られない新たなプラットホームの確立に繋がったと言える。発光性固体材料の光物性の合理的な設計指針における新たな手法を提案したとも考えられ、現代社会の発展に深く関与する光物性の制御技術に貢献できた点で、社会的意義を持つ。
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