研究課題/領域番号 |
19K23619
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
阿南 静佳 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (40850136)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高分子ネットワーク / 高分子ゲル / 精密重合 / パーコレーション / 金属-有機構造体 / 固相重合 / 事後修飾反応 / モンテカルロシミュレーション / 結晶成分結合法 / 三次元高分子ネットワーク / 金属-有機構造体 / 多孔性結晶 / ソフトマテリアル / 逐次重合 / 金属―有機構造体 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子ゲル中の高分子ネットワーク構造は力学特性などに大きく影響するが、その制御は困難である。本研究では、無限周期構造を有する結晶中に、結晶の構成成分としてモノマーと架橋剤を固定したまま重合することで、設計通りの三次元高分子ネットワーク構造を合成する手法の開発を目指す。規則的に配列したモノマーと架橋剤を重合すれば、生成する網目構造はボンドパーコレーションにより高い精度で予測可能になると期待される。さらに、様々な構造の結晶や超分子集合体中に固定したモノマーと架橋剤の重合により、多様な構造の高分子ネットワークを作製し、その構造と物性の相関を調べる。
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研究成果の概要 |
ゲルなどを構成する高分子ネットワーク構造は、不規則で複雑な構造でありその制御も予測も困難である。高分子ネットワーク構造を精密に設計通りに合成できれば、さらに高い力学特性や高機能性を有するゲルの開発が可能になると期待される。本研究では、申請者がこれまでに報告している結晶成分結合法を用いて、モノマーを結晶中に固定した状態で重合し、生成するポリマーのネットワーク構造をパーコレーションシミュレーションにより精密に予測した。実験値との一致から予測に成功していることが示唆され、さらに通常の合成法では精密に求めることが困難な分岐鎖、ループ構造の割合などについてもシミュレーションから求めることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの高分子化学の発展により、直鎖状高分子の重合度を精密に制御する精密重合は発達してきた。しかし、架橋点間分子量、有効架橋点の割合、分岐鎖構造、ループ構造など複雑な構造を有する高分子ネットワークの制御は未だ達成されていない。精密に設計通りに高分子ネットワークを合成できれば、高い力学特性や高機能性を有する高分子ゲルの開発が可能になり、金属などの代替材料となることが期待される。本研究では、モノマーと架橋剤をナノレベルで規則的な既知の構造中に固定したまま重合するという手法により、生成する高分子ゲルのネットワーク構造を簡便なシミュレーションにより精密に予測することに成功した。
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