研究課題/領域番号 |
19K23621
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金澤 純一朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (60844636)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 創薬化学 / 三次元化合物 / 電荷シフト結合 / ビシクロ[1.1.1]ペンタン / [1.1.1]プロペラン / シリルボラン / シクロデキストリン / 光反応 / 反応開発 / 三次元多環式化合物 / 非対称二置換化反応 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の創薬化学では、sp3 炭素を多く持つ三次元構造を利用し、物性・安全性の点で優れた化合物の探索が積極的に行われている。今回の研究では、ビシクロペンタンなどの三次元多環式化合物を標的分子として、その効率的な変換法と前駆体の合成法を開発する。具体的には、幅広い誘導体化が可能な非対称二置換体の効率的な合成法、不安定で用事調製が必要であった原料の安定等価体に対する変換法を確立する。
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研究成果の概要 |
創薬化学において重要な三次元化合物であるビシクロ[1.1.1]ペンタン (以下、BCP) について新たな合成法を開発した。 BCP の原料であり低沸点かつ不安定な [1.1.1]プロペランを、安定かつ多様な誘導体化が可能な BCP 中間体に変換するシリルホウ素化反応を開発した。得られた中間体の変換反応を開発することで、幅広い BCP 化合物が合成可能となった。 また、BCP 誘導体の最も重要な前駆体である [1.1.1]プロペランの新たな調製法を開発した。本調製法は、高活性な有機金属試薬を必要とせず、幅広い溶媒中での [1.1.1]プロペランのオンデマンドな合成を初めて可能にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的独自性として、電荷シフト結合の切断・生成反応の制御により多様なビシクロ[1.1.1]ペンタン (以下、BCP) を供給する反応を開発した点が挙げられる。すなわち、高度に歪んだ電荷シフト結合に対して適切な反応系を設計することで、これまで合成困難であった幅広い BCP 化合物の合成を可能にすると同時に、BCP 誘導体の最も重要な前駆体のオンデマンド合成に成功した。本研究で得られた電荷シフト結合に関する知見を、幅広い三次元化合物に拡張することで、従来法では合成が困難であった三次元化合物の合成を可能にし、創薬化学・物質科学の新たな可能性を拓くことに貢献できることが期待される。
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