研究課題/領域番号 |
19K23628
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安藤 直紀 名古屋大学, 理学研究科, 特任助教 (80848979)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホウ素 / πスタッキング / Lewis酸性 / 反芳香族性 / 集積構造 / ルイス酸 / 配位結合 / 自己集合 / ボロール |
研究開始時の研究の概要 |
これまでのホウ素を含むπ電子系の化学では,ホウ素化合物の発光特性や電子輸送特性が追求され,凝集状態での分子集合体の構造や機能性については未開拓である.そこで本研究では,平面固定ホウ素化合物の平面性とLewis酸性を切り口に,分子集合体の機能発現を目指す.これを実現するために,平面性による集合化とホウ素とLewis塩基との錯形成による集合化を外部刺激により制御することで,分子集合体の構造制御に取り組む。同時に,緻密に制御された集合体としての機能を探求する.
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研究成果の概要 |
本研究では,三配位ホウ素化合物の凝集状態での構造制御と機能の開拓に取り組んだ.4π反芳香族性を示すボロール構造をもつ多環式π共役化合物の結晶構造を精査し,置換基が分子配向に及ぼす影響を明らかにした.また,この化合物がボロール構造の反芳香族性と歪みにより,既報の平面固定ホウ素化合物と比較して極めて高いLewis酸性を示すことを見出した.一方で,両親媒性の平面ホウ素化合物を用いることで,水媒体中でシート状の集合体を形成することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三配位ホウ素を含むπ共役化合物は,ホウ素の電子欠損性に由来した特異な光・電子物性を示すことから,有機エレクトロニクス材料などへと展開されている有用な化合物群である.本研究では,凝集状態の構造制御という従来のホウ素化学とは異なる着眼点からホウ素化合物の機能開拓に取り組み,ホウ素化合物における集積構造の形成に関する知見が得られた.本研究成果は,平面固定ホウ素化合物を基軸とする超分子化学や材料科学の発展に貢献すると期待される.
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