研究課題/領域番号 |
19K23633
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 直樹 九州大学, 工学研究院, 助教 (00844672)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホウ素 / ホウ素ラジカル / ホウ素カチオン / 単層カーボンナノチューブ / キャリアドーピング / 電子移動反応 / ホウ素中性子捕捉療法 / カーボンナノチューブ / π共役系 / ルイス塩基 / π-スタッキング / イオン伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数のイオン価数を形成可能なホウ素カチオン種に着目し、これを最大限生かした高イオン伝導性や触媒能をもつ新規ホウ素材料の創出を目的とする。本研究を達成するための重要な点は、ホウ素まわりの置換基を綿密に設計し、分子配列を制御することである。分子配列に基づいたイオン伝導経路や触媒サイトの構築を実現するとともに、その伝導メカニズムを明らかにし、材料開発の新たな設計指針の提供を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、中性ホウ素ラジカルの電子移動に基づいたホウ素カチオンの発生という観点から、ホウ素ラジカルによる単層カーボンナノチューブ (SWNT) のn型化に成功した。またドープ後のSWNTの表面構造解析から、SWNTの対カチオンとして、三配位ホウ素カチオンの存在が明らかになった。さらにホウ素中性子捕捉療法 (BNCT) の観点から、高い親水性を有するホウ素カチオンの合成に成功した。本成果は、ホウ素カチオンを基盤として、半導体工学分野や医薬分野における新しい技術としての利用が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年ホウ素化学は、構造化学や反応化学の視点から、高い電子欠損性を有するホウ素カチオンや電子供与性を有するホウ素アニオンなど、興味深い性質や反応性を示すホウ素化学種が開発されてきた。一方で、これらを利用した材料開発や医薬開発は極めて少ない。このような観点から本研究成果は、ホウ素カチオンを基盤とした研究展開であり、ホウ素化学の枠を超えて材料化学や医薬分野において高い学術的意義がある。また本研究を推し進めた先には、半導体分野におけるトランジスタやセンサ、メモリへの展開、またホウ素中性子捕捉療法におけるがん治療薬の開発など、高い社会的意義も兼ね備えている。
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