研究課題/領域番号 |
19K23634
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
服部 伸吾 横浜市立大学, 理学部, 助教 (90846726)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キラリティ / 外部刺激応答性 / 準安定状態 / 金属錯体 / 高調波光散乱 / 発光 |
研究開始時の研究の概要 |
外部刺激に応じて分子集積構造が変化し、発光色が変化する固体群が相次いで報告され、次世代スマート材料として注目を集めている。刺激によるキラリティ制御可能な分子は、刺激応答性円偏光発光材料や、外部刺激に基づく不斉合成法の観点からも非常に興味深く、新規キラル化学開拓の可能性を有している。しかし、その例は限られており、どのような分子で制御可能で、どのようにキラリティが変化するかは不明である。本研究では、外部刺激により誘起される分子キラリティに基づく新規キラル化学の開拓を目的とし、刺激応答性キラル金属錯体の創製と分光学的性質の評価、刺激応答機構の解明、刺激応答性に基づく新規不斉合成法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、機械的回転により誘起されるポルフィリンJ会合体の高調波光散乱信号のその場観測に初めて成功し、ポルフィリンJ会合体の動的キラル構造とキラル誘起・解離機構を明らかとした。また、機械的回転下でフタロシアニン錯体薄膜を作製することにより、高い再現性でキラル会合体を合成することに初めて成功し、フタロシアニン錯体からなるキラル会合体のキラル誘起機構を明らかとした。これらの研究成果により、外部刺激によってキラリティを制御するための新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、マクロな機械的回転とナノスケールの分子キラリティに結びつけている点から、新しい科学分野となりえるだけでなく、生命のホモキラリティ起源を考える上での手がかりも提供した。さらに、キラル触媒を用いない不斉合成法やキラル光学材料へ調整する方法へと発展することが期待できる。 本研究成果は、Angewandte Chemie International Editionに論文が掲載され、日本経済新聞、Chem-Station等のメディアにて紹介された。
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