研究課題/領域番号 |
19K23636
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
澤野 卓大 青山学院大学, 理工学部, 助教 (80846303)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 触媒反応 / C-H結合活性化 / ホスファイト / ホウ素化反応 / 位置選択性 / イリジウム / C-H結合活性化反応 / イリジウム触媒 / 位置選択的反応 / ボリル化反応 / 遷移金属触媒 / 配向基 / sp3 C-H結合活性化 / 有機触媒 / 協同触媒 / アルコール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新規設計した有機触媒と金属触媒の2つの触媒を協同的に作用させることで、自然界に普遍的に存在するアルコールの不活性な炭素―水素結合を高効率的かつ高選択的に炭素-炭素結合、炭素―窒素結合、炭素―ハロゲン結合などに変換する反応を実現させる。本研究によって、全く新しいタイプのアルコールの直接的分子変換反応が達成でき、有機合成化学に対して強力な合成ツールを提供できると考えられる。
|
研究成果の概要 |
配向基を用いたC-H結合活性化反応は、通常反応性が低いsp2炭素やsp3炭素のC-H結合を選択的に切断し、直接的に様々な有用な官能基を導入することができる重要な反応として知られている。本研究では、配位子や酸化防止剤として利用されるトリアリールホスファイトのリン原子を配向基とした選択的C-Hホウ素化反応をイリジウム触媒を用いることで達成した。トリアリールホスファイトには多くの反応点が存在する一方、開発した反応を用いることでオルト位のモノホウ素化体を選択的に得ることに成功し、副生成物はほとんど得られなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
配向基を用いたC-H結合活性化反応はこれまで、ピリジン環やイミンの窒素原子、カルボニル基の酸素原子などが主に利用されてきたが、地球上にありふれた原子の一つであるリン原子を配向基とした研究はほとんど知られていない。本研究によってトリアリールホスファイトのリン原子を配向基とした選択的C-Hホウ素化反応が達成されており、リン原子を配向基とした触媒反応開発に指針を与えることができると期待できる。また、ホスファイトは酸化防止剤などとして利用されており、新たなホスファイトの合成手法を提供できたことは社会的意義があると言える。
|