研究課題/領域番号 |
19K23637
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
金本 和也 中央大学, 理工学部, 助教 (90849100)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機硫黄化学 / ポリスルフィド / 求電子的チオ化剤 / チオスルホナート / チオイミド / ジスルフィド / スルファニルアミン / トリフルオロ酢酸 |
研究開始時の研究の概要 |
多数の硫黄原子が連なった特異な構造を有するポリスルフィド類は,タンパク質の構造変化などの生体現象の解明や,生命科学分野や食品科学分野での多彩な応用が期待される化合物群であるが,これらを「S数」を制御しながら精密に合成することは困難であった.これに対して本研究課題では,硫黄原子上の反応点を見分ける新手法を開発することで,ポリスルフィド類の自在な構造展開を可能とし,生命科学分野での応用研究に貢献することを目指す.
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研究成果の概要 |
ポリスルフィド構造の両端に反応性の異なる脱離基を配置した分子を設計し,収束的に置換基を導入する方法論の開発に取り組んだ.検討の結果,ジスルフィド構造にアミノ基とスルホニル基を配置した場合には予期せぬ硫黄の脱離が進行し,チオスルホナートが生成した.本試薬は,様々なモノスルフィド類の合成に利用できることが明らかになった.一方で,スルホニル基をイミド基に変えると,硫黄の脱離を伴うことなくジスルフィドを合成できた.本試薬は,プロトン存在下でアミノ基が,非存在下でイミド基が選択的に変換され,多彩な組み合わせの置換基を連続的に導入できるため,多彩なジスルフィドの多様性合成に利用できることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多数の硫黄原子が連続した構造を持つポリスルフィド類は,生物活性,バイオリンカーなどの観点から,生命科学分野などでの多彩な応用が期待されている.一方で,多数の弱い結合を制御する合成の難しさからこれらの分野での応用研究は進んでおらず,新たなポリスルフィド類の合成法の開発が求められていた.これに対して,本研究によって開発した手法は,2度の変換が可能なプラットフォーム分子に対して2つの置換基を迅速に導入できるため,多様性に富んだポリスルフィドを簡便に合成できる.そのため,上述のような応用研究を強力に後押しするものと期待される.
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