研究課題/領域番号 |
19K23638
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷口 卓也 早稲田大学, データ科学センター, 准教授(任期付) (20843907)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光トリガー相転移 / 力学特性 / 弾性率 / 発生力 / メカニカル機能 / 構造相転移 / 光反応 / 応力ひずみ / ヤング率 / 応力ひずみ特性 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまで外部刺激でメカニカルに動く有機結晶を開発してきた。光反応や熱的な構造相転移によって動くメカニカル結晶の開発に成功し、さらに最近、光によって構造相転移が起きる「光トリガー相転移」という新現象を発見した。温度変化させることなく光で相転移を起こすことができる新しい機構の相転移であるが、その定量的解析は未だできていない。そこで本研究では最初に、この光トリガー相転移結晶の光反応に伴う応力・ひずみを測定し、発現機構に定量的な考察を与える。次いで、新しい光トリガー相転移結晶の開発、および光トリガー相転移の発現条件を明らかにし、最終的に、光トリガー相転移による新機能の開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
光トリガー相転移は光によって結晶の構造相転移が誘起される現象であり、光が到達していない領域にまで構造変化が伝播する点が他の光応答現象と異なる。この光トリガー相転移を発現する光異性化結晶の弾性率を測定し、弾性率に大きな異方性があることが分かった。この光トリガー相転移結晶に光照射したときのねじれ変形挙動について、変形の定量解析を行うとともに有限要素法でのシミュレーション解析を行うことに成功した。また、光照射したときの発生力を測定することに成功し、光トリガー相転移発現により特異な力発生挙動となることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結晶材料に光を照射し、構造変化にともなう変形や発生する力を定量的に測定しました。変形解析では、本研究によってねじれ変形の詳細な発現機構が明らかになりました。力測定では、光トリガー相転移によって力の時間変化が特徴的な挙動を示しました。これらの定量解析の結果は、光応答現象と材料力学の学理において有用な知見になると考えられます。また、光を用いることの利点として遠隔操作できることや、局所照射できることなどが挙げられ、このような光応答性結晶材料により、光によって操作できるセンシングやスイッチング、メモリ、アクチュエータの開発につながる可能性があります。
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