研究課題/領域番号 |
19K23649
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
重田 泰宏 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 特任助教 (70844025)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 金属錯体 / クロミズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、蒸気の吸脱着に伴って色や発光色が変化する事で、物質の存在を可視化可能な物性「ベイポクロミズム」について、従来研究の主眼であった蒸気の種類の検出のみならず、蒸気の量を定量できる可能性を探索する。 蒸気の吸脱着を色や発光色変化として出力可能な金属錯体に対して、様々な分子間相互作用を形成可能な官能基を導入する事で、溶媒和数の異なった複数の超分子構造の構築が可能かどうか調査する。そして、蒸気曝露によってこの複数の結晶構造間の転移が可能かどうか調べるとともに、蒸気曝露時の分光学的性質の変化を調べ、多段階の蒸気応答性及びベイポクロミック応答性の定量化可能性について探索する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、蒸気に応答して可逆的に色や発光色を変化させる性質、「ベイポクロミズム」に関して、これを多段階化させ、蒸気定量可能性を探索することを目的とした。多段階化には、化合物に対してある一種類のゲスト分子を異なる組成で含んだ複数の結晶構造を安定化する必要があり、本研究ではハロゲンを有する金属錯体について検討を行った。 その結果、種々の有機溶媒蒸気に応答してベイポクロミズムを発現する金属錯体の創製に成功し、それぞれの結晶構造においてハロゲンが多様な相互作用様式を示していることが分かった。また、同一組成でありながら結晶構造のみ異なる、結晶多形を示す物質が創製できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ハロゲン修飾がベイポクロミズムを含む外部刺激応答性物質の創製や、応答の多段階化にとって有望である可能性を見出した。外部刺激応答性物質は分子設計の時点でその有無を予想することは難しいが、ハロゲン修飾によってこれを付与できる可能性がある。この知見は、外部刺激応答性物質の研究を推進するための一助となり得る。
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