研究課題/領域番号 |
19K23651
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
筒井 祐介 京都大学, 工学研究科, 助教 (50845592)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 有機半導体 / 圧力 / 電気伝導度 / 電気特性 / 電磁波分光 |
研究開始時の研究の概要 |
有機材料は、大別して分子内の共有結合と、分子間のファンデルワールス力という桁違いの強度の結合が共存しているという特異性から、外部圧力に対する構造ならびに物性の変化に興味が持たれるが、外部圧力に対する構造ならびに物性の基礎的変化に対しては十分に研究が進んでいない。本研究では圧力下における電荷・スピン輸送の評価法を確立する。例えば有機半導体材料に異方的圧力を印加し、異方的マイクロ波伝導度測定法との協奏により、バルク内の電荷輸送特性に関して評価を行う。X線回折測定により異方的圧力下における構造同定、第一原理計算と組み合わせることにより有機半導体中の電荷キャリアダイナミクスの圧力応答に関して評価する。
|
研究成果の概要 |
有機材料は分子間がファンデルワールス力により結合しているため、圧力に対して分子間距離および相互作用が大きく変化すると期待される。本研究ではマイクロ波電気伝導度測定法を用いて、圧力印加時の伝導度変調の評価法を確立した。有機材料としてチエノアセン類をフレキシブル基板上に成膜して空洞共振器内部に設置し、基板の曲げにより内側の材料に圧力が印加される。 X線回折実験では、有機半導体膜に導入できた最大歪みは0.8%程度であった。マイクロ波伝導度測定法により電気伝導度信号の増大が観測されたが理論計算ではバンド構造にはごく僅かな変化しか見られず、有効質量の減少ではなく緩和時間の増加に起因する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マイクロ波電気伝導度測定法は通常の接触式電気伝導度測定法よりも粒界の影響を受けにくく、成膜の最適化なしに材料の本質的な電気伝導度にアクセスが容易である。本研究により、フレキシブル基板を用いた圧力印加時の電気伝導度をマイクロ波でプローブする測定系を開発した。これまでフレキシブル基板を曲げたときの材料の電気特性はあまり研究がなされてこなかったが、これによりさまざまな有機半導体材料の電気特性を評価することが可能になると期待される。
|