研究課題/領域番号 |
19K23656
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤田 翔貴 東北大学, 農学研究科, 助教 (70845099)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 出芽酵母 / 輸送体 / エンドサイトーシス / ユビキチン / グルコース抑制 / 浸透圧 / グリセロール / ユビキチン化 / カーボンカタボライト抑制 / アレスチン / グリセロール輸送体 / 輸送体分解 / 浸透圧ストレス / アレスチン様タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
出芽酵母はグルコース(発酵性炭素源)の存在下で、非発酵性炭素源の資化経路を抑制し、グルコースを優先的に資化する。そのため、環境中へのグルコースの流入により、非発酵性炭素源の取込みを担う原形質膜輸送体は、積極的に分解される。出芽酵母グリセロール輸送体Stl1の発現誘導は、グリセロール資化のみならず、浸透圧ストレスに適応する反応の一つであるが、浸透圧ストレス条件下においてもグルコースによる不活性化の対象となる。本研究では、Stl1の分解制御機構を明らかにするとともに、なぜ浸透圧ストレス条件下でもグルコースによって不活性化されるのか、その生物学的意義に迫る。
|
研究成果の概要 |
モデル生物であり、発酵産業上有用な微生物である出芽酵母のグリセロール輸送体(Stl1)の分解機構を明らかにすることを目指した。酵母をはじめとする真核細胞はグルコース(ブドウ糖)存在下では、グルコース資化を優先するためか、資化性が低い糖類などの輸送体を積極的に分解している。グリセロールは、高浸透圧環境下で細胞が生命活動を維持するために重要な役割を果たしている一方で、グルコースによって不活性化されることも知られている。本研究を通して、Stl1のグルコース依存的な分解に必要な領域を同定した。また、意外なことにStl1の分解は浸透圧の変化によって誘導されないことが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞(原形質)膜上には、栄養源や分子の取り込みや排出を担う輸送体や環境外のシグナルを感知する受容体が存在し、それらの種類や量を調節することで、外界や細胞内の環境変化に適応している。必要な輸送体や受容体を合成する正制御に対して、不要なものを選択的に除去する負の制御の理解は遅れている。本研究では、グルコースというシグナル入力に対する輸送体分解制御機構において、最上流かつ最重要と考えられる''いかにして標的である輸送体選択的に認識しているのか''、その一般性を提唱するために重要な知見を得られた。
|