研究課題/領域番号 |
19K23664
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高村 映一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (30843015)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオ電池 / 酸化還元酵素 / アノード / 直接電子移動 / 人工酸化還元酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではバイオデバイスに用いるための酵素の半人工的な設計を行い、バイオ電池等の実用的展開を目指す。これまでにアノード用酵素にタグを導入することで、デバイス上に酵素分子を整然と並べることを可能とし、電子伝達性の向上も達成した。しかし、多くの酸化還元酵素は、触媒部位と酸化還元部位が分かれておらず、酵素分子を配向性を持たせてデバイス上に配置しても、効率の良い電子伝達経路を作ることは困難であった。そこで、酵素表面に電子伝達メディエータを修飾し、酸化還元部位を新たに付加することで、長期安定性を維持しつつ、電極との直接的な電子授受が可能な酵素を人工的に創製し、高性能なバイオデバイスを構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、長期安定性を有する超好熱性アーキアPyrobaculum aerophilum由来ピロロキノリンキノン依存性グルコース脱水素酵素(PQQ-GDH)の直接電子移動型酵素化および電子伝達能向上を目指した。酵素分子表面のリシン残基に対して低分子酸化還元物質を修飾する方法を適用し、PQQ周辺のリシン残基を欠損させた変異体を評価することで野生型における電子伝達経路を推定した。推定された電子伝達経路から、電子伝達の促進が期待される部位へリシン残基を導入したPQQ-GDH変異体を作製した。PQQ-GDH変異体を用いたバイオ電池は野生型を用いたバイオ電池と比較して1.5倍の最大出力を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義は次の2点である。(1)直接電子移動型酵素化したPQQ-GDHにおける電子伝達経路を明らかにした。(2)酸化還元部位-電極間電子伝達経路の特定の部位へ電子メディエータの新規修飾部位を追加することで、直接電子移動型酵素の電子伝達能を向上させられることを明らかにした。この成果は、現在盛んになってきているバイオ電池や生体センサ用酵素の開発に向けた、酵素分子設計指針の一つとして社会的意義は高い。
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