研究課題/領域番号 |
19K23666
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 統也 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (90847261)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オイルボディ / SDGs / 乳化系 / 泡沫系 / 大豆 / ココナッツ / 植物性素材 / 食品素材 / 乳化機能 / 起泡機能 / 食感改変機能 |
研究開始時の研究の概要 |
食品素材として広く用いられている卵や乳の加工機能のうち、卵黄の乳化機能や乳クリームの起泡機能は、主に卵黄リポタンパク質や乳脂肪球といった微細な脂質粒子によるものである。植物中の脂質貯蔵組織であるオイルボディは、卵黄や乳クリーム中の脂質粒子に似た構造体である。オイルボディの形態や化学的組成は、植物の種や系統、生育段階によって様々であり、それらのなかには卵黄や乳クリームと同様、あるいはより優れた加工機能を持つものが存在する可能性がある。そこで本研究では、様々な植物資源からオイルボディを抽出して基礎的な化学的・物理的特性を明らかにし、乳化や起泡などの加工機能に優れた素材を探索することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、植物組織中に存在する脂質粒子であるオイルボディの食品素材として利用可能性を探求することを目的とし、オイルボディの物理化学的特性ならびに乳化機能や起泡機能といった食品加工特性を明らかにすることを目的とした。大豆オイルボディは、食品を想定した種々のpHおよび塩強度において油と均質化することにより良好な乳化物を形成できること、ココナッツオイルボディは適切な温度履歴を与えて攪拌することにより泡沫を形成し得ることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品加工には乳化や起泡など様々な加工機能を有する、卵や乳などの動物性素材が広範に用いられている。しかし、将来にわたり持続可能な社会を構築してゆくには、優れた加工機能を有する植物性素材の探索と、積極的な活用が必要である。本研究で扱ったオイルボディは、植物組織中に存在する脂質貯蔵体であり、膜タンパク質や極性脂質、中性脂質が複合した分子集合体ともみなすことが出来き、単一成分を用いる場合とは異なるユニークな機能を有すると考えられる。適切な材料を選ぶことでオイルボディにも乳や卵に相当する乳化機能や起泡機能があることが示唆されており、今後、食品加工素材の新たな選択肢となることが期待される。
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