研究課題/領域番号 |
19K23673
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮崎 彰雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (70847748)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ファイトプラズマ / 絶対寄生性 / 次世代シーケンス / ゲノム進化 / 植物病 / 比較ゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
植物病による農業被害は大きく、病原体の寄生システムを解明して防除法を構築することが喫緊の課題である。重要な防除対象の一つであるファイトプラズマ属細菌は、宿主から独立して生育できない性質 “絶対寄生性” をもつ。この性質は宿主への物質依存に起因すると考えられているが、詳細な機構は未知のままであった。本研究では、本属が辿った遺伝子構成の変遷を比較ゲノム解析によって推定し、物質収奪や代謝の観点から解釈することで、本属に共通する “絶対寄生性” の遺伝的背景を包括的に解明する。これにより、防除法構築の基盤的知見を得るのみならず、病原性の理解に示唆を与え、更には長年の課題である人工培養の実現に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ファイトプラズマ属細菌に特徴的かつ共通する“絶対寄生性”の分子機構にアプローチすることを目的とした。まず遺伝的背景解明の技術的障壁を克服するために、ファイトプラズマDNAの濃縮法を構築して、より効率的なゲノム解読を実現した。また、ファイトプラズマが植物体内で分泌するエフェクターであるファイロジェンについて、属内における共通性と多様性を解明した。さらに、昆虫体内における寄生実態を詳細に理解するため、感染部位が変遷する様子を詳細に観測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファイトプラズマ属細菌は、世界中で様々な農作物に壊滅的な被害をもたらしている植物病原体である。有効な農薬は開発できておらず、防除策の構築が喫緊の課題となっている。本研究では、その寄生システムの一端を、植物宿主と昆虫宿主の両面から明らかにした。ファイトプラズマは宿主細胞から独立しては生育できないため、寄生を成立させている分子メカニズムを標的にした新たな防除法が期待されており、本研究はその実現に寄与すると期待される。
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