研究課題/領域番号 |
19K23674
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 (2021) 東京農工大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
田原 緑 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (20849525)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ダイズ / RNA干渉 / アントシアニン / フラボノイド / 生化学 / 器官特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
食用ダイズの黄色い種皮では自然発生RNA干渉によりアントシアニン合成が抑制されている。しかしこのRNA干渉は種皮のみでおこり、胚乳や葉ではアントシアニンやイソフラボンが合成されており、この器官特異性を決定づける因子は明らかになっていない。申請者はこれまでシロイヌナズナやアブラナを用いてRNA干渉において最重要酵素であるダイサータンパク質DCL3, DCL4が器官特異的に制御されていることを明らかにしてきた。本研究ではダイズの重要形質を決定する器官特異的RNA干渉の発生メカニズムを明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
ダイズの黄色い品種の種皮ではアントシアニンが蓄積していない。これはフラボノイド合成の鍵酵素Chalcone synthase遺伝子が、自然発生したRNA干渉によって抑制されているからである。しかしこのRNA干渉は植物体全体で起きているのではなく種皮特異的に起きている。この特異性について、RNA干渉においてsiRNA生成に関与するダイサータンパク質DCL4に着目して解析したところ、RNA干渉が起きているダイズの種皮ではDCL4の活性が検出される一方、葉では検出されないことが明らかになった。フラボノイド自身がin vitroにおいてダイサータンパク質を阻害する活性を持っていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は古くから現象としては報告のあるフラボノイドに対する自然発生型RNA干渉に対して、RNA干渉の生化学的解析から切り込んだ初めての研究である。この現象はダイズだけでなく花の色といった重要形質を決定づけるものであり、重要形質の安定化に資する情報を提供する。フラボノイドとRNA干渉は草食生物に対する抵抗性やウイルス抵抗性に関与することから本研究はさまざまな生物間相互作用にも影響することが示唆される。
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